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太陽とひとりぼっち

空は白い。雲は黒い。
中洲から天神の方へ歩いた。
その際橋を渡った。
欄干に鳩がとまっていた。
横を通ると空の方へ飛んでいった。
橋の下には海に届く川が流れていて、その色はエメラルド色だった。ところどころ泡が浮いている。風が吹いた。少し臭うな。記憶の中の街から一つとして変わっていない。

映画館の前を通った。看板が立っていた。
近づいて見てみると老朽化の為取り壊すことが決まったという報告が書かれていた。とりあえずスマホで写真を撮った。それからどんな映画が上映されているのか気になったので調べてみた。特に心に引っかかる映画はなかった。だから歩いた。来年の春頃、この映画館は消える。
両親がこの映画館について、いつか話していた気がする。また思い出の中に留まる。

車と人の往来の真ん中に立って深呼吸をした。
まだ秋には遠い気温で汗が額を伝う。でも秋になったと思うこともなく、どうせ冬になる。秋なんて、そもそも存在するのだろうか。四季なんて、もう意味として破綻してる気がする。
やっぱり都会は怖い。誰も彼も忙しそうで、隣には誰かの影が見える気がする。僕の横には僕の影がある。太陽がある限り独りではない。
天神に辿り着いてPARCOに入った。
エスカレーターを使用して上の方まで上がった。タワーレコードに行く為だ

タワーレコードにはレコードコーナーがあった。壁にもレコードが飾ってあって、本当にレコードが流行っているのだなと思った。けれども、店の中で人が密集しているのはジャニーズコーナーであって、それ以外の場所はあまり人がいない。僕はレコードを一枚一枚確認しながら、このアーティストのレコード出てたのかと心で呟いた。一通り見たところで結局一枚も買うことなくその場を後にした。

なんだか独りで楽しくない。
生きてる感じがひとつもない。
独りでいることに飽きてしまったのかもしれない。独りで映画を見て、音楽を聴き、本を読んで、都会に出掛けて、また独りで歩き、部屋で独り眠る。
ベットで眠る猫と話す。
この人生に喜びはない。
太陽が死ねば、俺は本当に独りになる。

毎日マックポテト食べたいです