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家族、との距離の取り方


昨日、父から電話が入っていた。

「入院した」



コロナが広がってるこの時期の入院、といわれるとコロナ患者になったのかと思ったが、ふたを開けてみると背中が激痛で運ばれたそうだ。

突っ込みどころが多くて、事の重大さをつかめずおもわず笑ってしまった。



そして今日、また電話があった。

「背骨の一つが壊れかけてるらしい、入院に必要なタオルとか、持ってきてほしい」

ぎょっとした。私の家から徒歩5分の小さい病院に入院していたのだ。

父は二駅となりに引っ越していた。

わざわざ、こちらにきた…アテにされたと思い、ぎょっとしてしまった。

もう、関わることがないと思っていたからでもあるだろう。



私は長女だ。ひとつ下の妹がひとり。

電話を受け取ったのは妹だった。

その妹が、「こちらも忙しい、できるとは限らない」と返した。



父親からDVを受けたこともなければ、なにかわかりやすい被害はない。

けれど私も妹も父をとても嫌悪している。

吐き気がみぞおちから湧き出てくるくらいに。


思春期の、誤解や拒絶反応からくる嫌悪ではないらしい、とさすがに20代後半に入ってきて気づいた。



以前、それはなぜか、と向き合ったときに

人として尊敬もできなければ関わりたいと思えない、とわかってしまった。

好むものも怠惰なところもたばこの匂いも、人に配慮しない態度もお調子者な言動も、自分にとって悪影響だ、と頭が警告を発するような人間の一人であるとわかってしまった。

よってできるだけ、離れて、関わりたくない。



今日の午前中の時点で、背骨が折れるかなにかして激痛で運ばれ入院した、というあいまいな説明だけだった。

背骨は体の一番大事な神経が入ってるから、最悪寝たきりを想定した。要介護だ。それは無理、と思った。

ただでさえ関わりたくない父と共にいることも、自分の時間を使って介護することも、できないと思った。

妹も同じだった。

後に本人から電話があった、と聞いて電話できる程度というのは分かり、そこまでひどい状態ではない可能性が高くなり少し安堵した。





これまで家族に関する法律について、よく知らなかった。

親が離婚したら、関わらないでいられると思ったが、改めて調べれば親子の扶養関係は切れないことが分かった。

弁護士を雇い、法律上で縁を切らない限り、扶養義務がある。

扶養義務とは、直結血縁(祖父母から孫まで)が援助を必要としたら援助しましょう、という義務だ。


法律上では、経済的な援助についてだけある。介護義務はない。



現状、父の主な収入も、返済能力も、入院費用などどうなってるのかわからない。

扶養義務からすると、娘の二人に経済援助が義務となる。


しかし私は自宅療養してて収入ないし、(むしろ祖母から与えられてる立場)

妹はやっと勤め始められた軽度の発達障がい者だ。

経済的援助できる余裕がない。


せめてもの情け、今後アテにしないでほしいという手紙を添えて色々持っていったら、入院費の保証人書類を持たされた。



不覚だ……そうだ、そうであった。入院費が万が一、本人が払えなかった場合の、保証人書類…。法律上直結血縁である娘が来たら渡せる代物…完全に盲点だった…。(←)

書類を受け取った時点で、法律上は、義務が発生するのだ…知った時から、発生するから…やられた…(←)



先ほども書いたが私は返済能力がない。妹も少なくはあるかもしれないが、スズメの涙ほどの貯蓄がなくなる可能性がある。

今後いつから働けるかもわからなく申し訳なさしかない。


父の症状は、背骨のひとつをいため、自然治癒で治るもの、後遺症はない程度のものだった。ただし最低1~2週間は絶対安静にしないといけずそれくらいは入院となる。

そしてコロナのおかげで本人と面会をしなくて済んだものの、本人から返済できそうかも聞けず、とりあえず保証人書類に書いておく、ができない。


万が一に備えて母に、と思ったが母は完全に、離婚したから他人だし今後関わりたくないと完全に放棄している。

書類を受け取った以上、なにか変わる手を出すしかない。




法律上、経済的援助もできないという証明ができれば控除、しなくていい。しかし、家庭裁判所が認めたら、だ。

だけど、それはどこでどんな書類を手続きをしたらいいのかはわからなかった。

そこまで行う期間は今、ない。



今回のことで、親の今後とそれにどう関わるかをすこし考えることができた。

もし、介護が必要になったとき、私たち姉妹はできないし、経済的援助もできる可能性が低い。裕福でもないため資金繰りもできず、他に頼めない。そのために縁を切ることも考えている。

父には兄弟がいる。父から見て、直結血縁だ。


なぜかスマホが水没して、覚えていた電話番号が私たちの住んでいる家だった。それで実の兄弟につなげず、私たち娘を頼っているのなら、彼らの電話番号や情報を提出してお願いしてみるしかない。

今後同じようなことや、もっと悪化した場合、私たちにできることがとても少ない。今回の機会をもって、兄弟の縁の再構築をしてもらった方がいい。


とりあえず、その情報を手札に持っていく予定だ。もし、彼らがダメだった場合、再度電話してほしいとお願いするしかない。




できるだけ、自分が安心できる環境のために、距離をとる。

距離の取り方にはいろいろある。



私が25年以上かけて家族から学んだことだ。




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