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月の収支から考える学生スポーツ組織の成長戦略

こんにちは。
前回、私たちの大きなビジョンを書かせていただきました!
たくさんの方から反響をいただきました。誠にありがとうございます。

もしまだ読んでいない方はぜひご覧ください。

さて、今回は、その未来に向かっていくために、私たち自身が成長していかなければならないことについて書いていきたいと思います。

まずは、現状と今後の構想をシェアできればと考えています。


学連運営の使命

  1. 学連選手たちが社会に良いインパクトを与えられるよう、その機会を最大化すること

    • 大会観戦者を増やし、学連と社会のつながりをより深めていくこと

    • 学連選手、OB/OGが水辺のプロフェッショナルとして活躍できる機会を増やしていくこと

  2. 学連選手一人一人が、大学生活と並行して自信を持ってサップ競技に打ち込める環境を整えること

    • 生涯の仲間に出会える

    • 将来社会で活躍する人材となるための武器が手に入る(人々を巻き込む力、マネジメント力、健康習慣)

    • 自分達のSUP活動が社会に貢献できると実感しながら、日々の練習に臨めること

この2点をつよく意識しています。

これらの使命を達成しながら「海の箱根駅伝」を実現すべく、さまざまな業務に取り組んでいます。

学連運営の具体的な業務

  1. 大会の企画・運営

  2. 学連ブランドの中長期戦略立案・実行

  3. 広報発信活動

  4. 練習拠点開拓と関係者(事業者様、地域住民の方々)との関係構築・交渉

  5. 学連ファン獲得・大会集客のための施策立案・実行

  6. 将来のプレイヤー育成のためのイベント企画・実行(小中高生へのSUP機会創出)

  7. 各種ルール作り(安全対策、各チーム運営、拠点管理、用具管理)

  8. チーム運営のサポート(メンター制度)

  9. 用具の管理、購入、修理

  10. 保険加入や契約書管理など(法務的・事務的業務)

  11. 学連選手からの問い合わせ対応

  12. 会計業務

など多岐にわたっています。

しかしながら、現実はすべてに全力で取り組めている状態ではなく、ボランティア的にサポートしてくださる方々によって支えられ、なんとか運営できている状況です。

現在の体制では緊急度が高く重要なことで精一杯の状況であり、これからは、緊急度は低いけれど重要度の高い業務も並行して取り組んでいく必要性を感じています。


学連運営業務の取り組み状況と課題


現在の月の収支内訳

売上(税込)

  • 月会費収入: 453,750円(6,050円 x 75人)

支出(税込)

  • 倉庫家賃・施設利用:157,000円

  • 用具備品:125,000円(年間支出の月割)

  • 決算申告外注・法人住民税:22,100円(年間支出の月割)

  • 通信費:12,000円

  • 保険料:11,570円

  • 会費決済手数料:10,875円

  • 輸送費:10,000円

  • 水道光熱費:5,000円

  • 会議費:5,000円

差引

+95,205円


現在の支出構造(ボランティア組織)


わかりやすさを重視しているため、厳密な数値ではない部分もありますが、おおむねこのような財務状況となっています。

(2023年の年間の詳細な事業報告資料(及び収支資料)はこちらからご覧になれます。)

ご覧のとおり先ほどの学連運営業務に対する支出ができていない状況になっています。

ボランティアベースの組織では良くも悪くも関わってくださっている方々の生活の安定があってこその運営体制であるため、推進力を高めるアプローチは無理を強いてしまう構造だと感じています。

したがって、業務課題に優先順位をつけて予算を配分し、推進力を持って取り組む体制に移行することで、

  • 学連の魅力を高め

  • 参加人数の増加

  • ファンの拡大

  • 社会へのインパクト向上

のサイクルを回していく事業構造の構築が急務であるとつよく感じています。

このままでは関わってくださっている方々が疲弊し、運営を維持していくことすらも難しい組織となってしまいかねません。


優先的な予算追加の内訳(本記事のメイン1)

大会予算:

+22万円/月(税込)(年間+264万円)

一般的なスポーツイベントは、例えば300人規模の運動会でもイベント企画会社に発注する場合、約300万円(一人あたり1万円)の予算が必要とされています
(参考:https://shanaiundokai.com/manual/cost/

一方、現在の学連大会では、参加費2,000円(税込)/人の範囲内で全てを手弁当でまかなっているのが実情です。

このままでは、競技の魅力を高めていく施策に踏み出すことは難しいです。

特にドローンによる空撮は、近年の規制強化により免許が必要になるなど、魅力的な映像制作のためには外注が必要不可欠となりました。

一大会あたりの予算としてまずは約50万円を目指したいです。
そのために年間5大会のため計264万円の年間予算確保を目指します。

これにより、会場のコンテンツ力を高めたり、観戦のためのリアルタイム情報更新など、将来の海の箱根駅伝につながる施策をはじめていけます。

選手の士気が上がり、観る人の心が動く大会運営を実現していきたいです。

事務局給与・運営サポーターへの謝礼:

+33万円/月(税込)(年間+396万円)

前述の業務リストを着実にこなし、ディレクションから実行まで推進力を持って進めていただける方を、学連OB/OGから募り、分担してお願いしていきたいと考えています。

私の書いたビジョンにもつながるように、学連OB/OGから水辺づくりのプロフェッショナル集団を生み出していく。その第一歩としてぜひ実現させたい施策です。


クリエイティブディレクター:

+11万円/月(税込)(年間+132万円)

中長期のブランディングや大会装飾、動画制作のディレクションなど、プロの力を借りて学連の魅力を最大限に引き出していきたいと考えています。
もちろん、この金額でやってくださる方がいらっしゃるかは別問題ですが、もし興味を持っていただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ大森までご連絡ください。


動画制作:

+11万円/月(税込)(年間+132万円)

現在、動画制作は学連選手たち自らが行ったり、学連運営メンバーが好意で手がけてくれたりしています。しかし、バズを狙うショート動画、大会ハイライト動画、インタビューやドキュメンタリー風動画など、クリエイティブディレクターの指示のもと、より魅力的なコンテンツを制作していくためには、プロの動画制作者とタッグを組みたいです。

また私が運営してきた「サップチャンネル」も学連のファン獲得のメディアとしての役割を少しずつ担っていく予定です。

そのため動画の企画は引き続き私が行いますが、配信スピードをあげ、登録者数を増やし影響力を増していくためには、動画編集作業をどなたかにお願いしたいと考えています。


会計業務外注:

+55,000円/月(税込)(年間+660,000円)

現状、会計業務は私とボランティアの方が行っていますが、徐々に高カロリーな作業になってきています。私自身、優先的に取り組むべき課題は他にあるため、できるだけ会計業務から手を離していきたいと考えています。

日々の会計処理や収支報告資料の作成など、事務局と連携しながら外注していただける方を探しています。

法務相談:

+11,000円/月(税込)(年間+132,000円)

オンラインでの月額法務相談サービスの導入を検討しています。今後、新たな施策に取り組んでいく上で、コンプライアンスを高めておくことは非常に重要だと認識しています。


変革のための収入構造の強化(本記事メイン2)


月会費(増収):

+453,750円/月(税込)

まず月会費の値上げが考えられますが、かつては学連選手個人が所属のために払う支出は月の換算で7,800円(税込)かつ練習参加ごとに+500円かかる設計でした。

この料金体系が、参加人数増加のボトルネックになっている可能性があると考え、メンバーへのヒアリングを行いました。結果として大学生が始めやすく、何とか続けていけるラインとして6,050円(税込)の月額制度を設定し、現在運用しています。

ここで月会費を上げてしまうと、新たな加入の足かせになり、私たちが目指す未来から最も遠ざかってしまう可能性があります。したがって、月会費については今しばらく様子を見ながら慎重に判断していきたいと考えています。

その代わり、今年の目標で掲げている通り、会員数を150人規模に増やすことで増収を図ります。

6,050円 x 150人 = 907,500円/月(税込)

この目標達成に向けて、学連の魅力を高め、SUPの楽しさを多くの学生に伝えていきます。


応援チケット収入(新規):

+385,000円/月(税込)

10枚つづりの応援チケット束(55,000円)の販売を構想しています。
本チケットは1年間有効としたもので、企業/個人問わず応援の気持ちでご購入いただきたいものになります。

応援チケット一枚あたりの特典として、以下のようなアイデアを考えています。

  • SUP体験(1時間・1人分):大会会場での当日実施、または年に複数回設ける別途機会でのご案内(プレゼント可能)

  • チームレプリカユニフォーム:サッカーや野球のように、応援の際に着用いただけるチームごとのデザインユニフォーム

  • 11月全日本学生SUP選手権会場のVIPラウンジ入場券

これらは慎重に議論した上で詳細を発表させていただきますので楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

VIPラウンジのイメージ。学連を起点に集まった企業/個人が交流できる場


応援チケット束を毎月10セット販売できるよう、多くの方に応援したいと思っていただける組織を目指します。

特典の原価率を30%に抑えられる体制を整えることで、月あたり385,000円(税込)の収入を見込みます。

55000円 x(1-0.3) x 10セット = 385,000円(税込)


協賛金収入(新規):

+191,667円/月(税込)

サポートコーポレーションという制度を構想しています。年間12万円の協賛ご登録いただいた企業には、学連選手やOB・OGに対する単独オンライン企業説明会の開催権を提供するものです。

サポートコーポレーションとなった企業の採用担当者の方と学連事務局で打ち合わせをし、接点を持ちたい人物像をヒアリングします。その情報を基に、学連ネットワーク内で適する人材を探し、説明会への参加を呼びかけます。

サポートコーポレーション登録料とは別に、オンライン説明会の参加者一人あたり11,000円をご負担いただく料金体系を考えています。

人事関連業務に携わる方に相場観を伺ったところ、採用候補者との初期接点を得るためのコストは、一人あたり10,000円から50,000円程度とのことでした。

実は昨年、一企業からこのモデルで協賛をいただくことができました。今後はさらにニーズの調査をしながら事務局内で慎重に議論・検討を重ね、改めてご案内させていただきます。

理想としては、以下のような収入を目指します。

  • サポートコーポレーション登録:10社(年間)

    • 120,000円 x 10社(年) = 1,200,000円 (月+100,000円)

  • オンライン説明会参加者:100人(年間)

    • 11,000円 x 100人(年) = 1,100,000円 (月+91,667円)

学連は、水辺のプロフェッショナル人材を輩出する組織として、一人ひとりが企業で活躍し成長する選択肢も大切にしたいと考えています。学連の理念に共感いただける企業で、学連出身者が働ける機会を創出することは、ぜひとも推進していきたい取り組みです。

月の収入を伸ばす!



今期目指したい理想の収支構造

さて、変革の構想を月の収支でまとめます。

収入合計: 1,484,167円/月(税込)

  • 月会費収入: 907,500円(6,050円 × 150人)

  • 応援チケット収入: 385,000円(55,000円 × 10セット × 70%)

  • 協賛金収入: 191,667円(120,000円 × 10社 ÷ 12ヶ月 + 11,000円 × 100人 ÷ 12ヶ月)


支出合計: 1,190,975円/月(税込)

  • 事務局給与・運営サポーターへの謝礼: 330,000円

  • 大会予算: 220,000円

  • 倉庫家賃・施設利用: 157,000円

  • 用具備品: 125,000円

  • クリエイティブディレクター: 110,000円

  • 動画制作: 11,0000円

  • 会計業務外注: 55,000円

  • 保険料: 23,125円

  • 決算申告外注・法人住民税: 22,100円

  • 会費決済手数料: 21,750円

  • 通信費: 12,000円

  • 輸送費: 10,000円

  • 法務相談: 11,000円

  • 水道光熱費: 5,000円

  • 会議費: 5,000円

差引: 315,525円/月(税込)

内訳はこのように変化します。差引分は実際はこの見積もりでカバーできていない部分にあてながら、翌年度以降の投資への貯蓄としていくことが理想と考えています。

目指す支出構造


おねがい

ここまで「海の箱根駅伝」実現に向けた変革の決意を月の収支を元に書かせていただきました。

  • 応援チケットを購入してみたい

  • サポートコーポレーションに興味がある

という方は、ぜひお声を聞かせてください。コメントでも、FacebookInstagramのダイレクトメッセージでも大歓迎です。また、クリエイティブディレクターとしてお力添えいただける方のご推薦(もちろん自薦も)も心よりお待ちしております。

皆さまのお力添えがあってこそ、私たち全日本学生SUP連盟は、日本の水辺の未来を切り拓いていくことができます。引き続き、私たちの活動にご注目いただき、可能な限りのご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

皆さまとともに、日本の未来をつくっていけることを心から楽しみにしています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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