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【地震前兆百科】高精度の地震予知手法・大気ラドン濃度の測定

■はじめに

このノートでは、地震予知の手段として非常に効果があり、経験上確度が高いと私が考えている「ラドン(ガス)」について紹介する。

私は地震前兆研究家として様々な現象を地震予知・予測に用いているが、そのうちでラドンはベスト3かベスト5に入るくらいに重視している。

大気ラドン濃度を測定することによって、その周辺地域で発生する地震の前兆をかなり正確に捉えることができる。
だが、そのためにはラドン測定器の購入という出費が必須となるが。

ここでは、ラドン測定によって、どの程度の地震予知ができるかを、過去の実例も多く示して紹介する。

■ラドンとは

ここでいうラドンとは、怪獣の名前ではない。
ラドン(Radon)は原子番号86の元素であり、元素記号は「Rn」となっている。

ラドンは無味無臭・無色の気体であり、人間が知覚することはできない。
通常ラドンは地下水に含まれ、地震発生に先行して地下水のラドン濃度が変化することが20世紀後半から報告されている。

温泉の含有成分として、ラドンを含む放射能泉として知られる。
たとえば私が良く利用する群馬県みなかみ町の「釈迦の霊泉」(奈女沢温泉)では、温泉内にラドン濃度証明書が表示されている。

ラドンが放つ放射線が健康に寄与するとの考え方(ホルミシス効果)があり、痛風、血圧降下、循環器障害の改善や、悪性腫瘍(ガンなど)の成長を阻害するといった効能が信じられている。

■ラドン濃度と地震

地中から大気に放出されるラドンガスが、地震の前には増大するということが初めて認識されたのは、50年以上前のことだった。
それは、1966年4月26日にウズベク共和国(当時はソビエト連邦)の首都で起きたタシュケント地震(M5.0)の時だった。

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