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【2020/08/10】深発地震+異常震域「南海トラフ巨大地震の足音」?異常震域の地震は前触れか?

■「深発地震」「異常震域」とは

2020/08/07に三重県南東沖でM5.2の地震が発生したが、「なんだ、この程度か」と安心はできない地震かもしれない。
というのも、この地震は震度が深い深発地震であり、かつ「異常震域」だったからだ。

「異常震域」とは、通常の地震ならば震源地で最も震度が大きくなり、中心から同心円状に広がりながら震度が小さくなるはずだが、そうならずに、震源から離れた遠いところで有感地震となることをいう。

たとえば、2010/08/27 00:08に岐阜県飛騨地方で発生したM5.1、最大震度2のい地震がある。
この地震は深さ280kmの深発地震で、震源の周囲では有感地震とはならず、かなり離れた地点でそうなったという、典型的な異常震域の例だ。

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■巨大地震の前に深発地震あり

この地震の発生時期を見て、あることに気づいた。
2011/03/11の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)のちょうど半年前に起きていたのだ。

このことは、「たまたま」ではないかもしれない。
というのも、巨大地震の発生に先立って深発地震が増加する傾向があるという研究があるからだ。

さらに、この地震の震源である三重県南東沖は、南海トラフ巨大地震のうちの東南海地震の想定震源域であり、1944年12月7日に昭和東南海地震が起きて以来、75年ほど静けさを保っている。

「南海トラフ巨大地震の足音?」とタイトルを付けたのは、「?」マーク付きではあるが、それなりの根拠があるのだ。

■巨大地震に先立つ深発地震増加の例

茂木清夫(もぎ きよお)東京大学名誉教授は、大地震に先立って深発地震が増加することがあるという研究を行っている。
例として、下記の3つの巨大地震を挙げている。

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