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ラニーニャ現象は秋まで続く~海溝型大地震が起きやすい~3.11の時も同様

■はじめに

まず、ここで紹介する、エルニーニョ現象とラニーニャ現象について簡単に説明する。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。

逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生する。

エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられている。

現在は昨年2021年秋に発生したラニーニャ現象が続いている。

7/11に気象庁から「エルニーニョ監視速報(No.358)」が報道発表された。
その概要は以下の通り。

・ラニーニャ現象が続いている。

・今後、夏の間に平常の状態になる可能性もある(40%)が、秋の終わりまでラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60%)。

このように、ラニーニャ現象は今年の秋まで続く可能性が高い(60%)というのが最新の予測となっている。

ここで問題とするのは、これまでの私の研究によって、過去にラニーニャ現象の発生中には日本の周辺で大地震が多発していたという事実だ。
そのため、以前は今年の春まで→夏までと予測が延びてきたラニーニャ現象が更に続くことで、大地震発生のリスクが高まることになる。

そのことを、過去の大地震データを用いた解析によって、明らかにしたい。

■研究でわかってきたこと

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