『曇りのち』
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『曇りのち』

久しぶりに、なんだかやるせない気持ちになった。



出演するはずだったライブの中止が伝えられたのは前日の午後8時。

ここまできてまさか中止なんてないだろと思っていた。確信して、期待して、バイトしながら「明日は何着よう」なんてルンルン考えていた。
バイトが終わって携帯を開いたのが午後11時過ぎ。
詳細によく目を通して溜息がこぼれる頃にはライブ当日の日付になっていた。



スタジオのキャンセル料がもったいない。
当日朝の最終調整にと入れていたスタジオ練は消化することになった。
あれから恋人と長電話をした。やるせない気持ちを少しだけぶつけてしまった。2時間半しか寝てない頭では気持ちよくハモってやることが出来ないかもしれない。


笑ってしまうくらい曇天。
別に暗い訳では無いが、ひとかけらの青も浮かんでない空にまるで同情されているかのようだった。
たった1時間のスタジオ練のためにベースを背負って20分歩いた。珍しくチンタラチンタラ歩いた。
本番が訪れないと分かっている練習へ向かう。ベースがいつもより重く感じた。


ボーカルは朝までヤケ酒したんだろう。全然声出てないじゃないか。
無駄にデカいモニターから返ってくる私のコーラスもユラユラと不安定だった。
結局前日の練習には勝てなかった。3人して地縛霊みたいな顔を晒しながら写真を撮って解散した。なんだかんだ楽しかったからいいけど。



帰りもチンタラチンタラ歩いた。
1人で歩く時は割と速い方だから、人に抜かされることは滅多にない。今日はたくさんの人に抜かされた。スーツ姿のサラリーマン、工事のおじちゃん、お母さんらしき人。みんな何かに忙しそうだった。
今日マル一日予定がない私と悲しいコントラストを描く、真昼間のシブヤ。
背負ったベースがうんと重かった。



誰かを責める気なんてさらさらないし、この状況に文句を言いたいわけじゃないの。

でも今日くらいこんな気持ちになったっていい。


サークル、まだ2年あるって思ってた。何も考えず今を楽しめるって思ってた。
実際はいつもの2年じゃなかった。今のうちから「これだけはやっておきたい」ってことをちゃんと決めて準備しておいて、いつどんな形で終わってしまっても悔いが残らないようにしなきゃいけないんだって突きつけられた。
でもそれすら叶わなかった先輩達がいる。
やっぱり計画なんて無意味なのかもしれない。


よくわかんなくなった。
毎年月見バーガーだけは無性に食べたくなるので買って帰った。脂肪と糖と添加物のカタマリは美味しいに決まっている。血糖値はジェットコースターのように加速して。
眠くなった。寝るべき時に2時間半しか寝てないのだから当たり前である。
うさぎがべったりフニャフニャしながらこっちを見ていた。こいつを見ていると欠伸がうつるみたいに眠気も食欲も気分も全部うつされてしまうのだ。あぁだめだ、いよいよ本気で眠くなってきた。もういいや。今日はいいや。

曇りのち、明日は晴れ。そう信じたい。おやすみ。



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文章は私を映す鏡! エッセイ 20歳