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性犯罪者と、いじめ加害者の共通点は・・・○○○。

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「男が痴漢になる理由」という本を書かれていて、
加害者プログラムを行われている斉藤章佳先生のZOOMセミナーに参加しました。
とても素晴らしい内容でしたので、感想含めシェアさせてください。

大船榎本クリニック「行為依存と治療」
第7回 加害者臨床における修復的司法アプローチの試み 
~性犯罪被害者と加害者との対話プログラムで見えてきたこと~
日時:2021年11月12日(金)18:20~19:30
講師:斉藤章佳


斉藤先生の本は以前に読ませていただき、Youtubeで紹介させていただきました。1.「性犯罪といじめが起きる共通点とは!?」

2.「〇〇感が、他人を攻撃する」
https://youtu.be/i70ec3jumAo
3.「劣等感は、どこから生まれる?」
https://youtu.be/RuVIi1o2Hgw
4.「えっ! 性犯罪者は、高●●者が多い!!」
https://www.youtube.com/watch?v=2Ek7V-YjqRQ

■再犯率の高い性犯罪と、いじめのストーカー性

痴漢や盗撮や小児性犯罪は再犯率が高く、
つかまるまで続けてしまいます。

つかまって、加害者プログラムに参加するまでに、
平均で痴漢は8年、盗撮は7.2年、小児性愛は14年も経ているそうです。

その間に、どれほど多くの被害者が生まれていることでしょう!!

私はいじめ被害者(PTSD診断、裁判勝訴)ですが、
性加害者といじめ加害者は似ていると思っていて、

・加害者は、加害が快楽な中毒・依存者
・加害者はストーカー的
・加害者と周辺(学校など)は、なかったことにしたい
・「被害者にも非がある論」を展開する加害者や社会
・つまり、加害者や社会に認知の歪みがある
・ → それが二次加害/被害を生む

加害することが中毒になっている加害者に、どう変化を促していくか。

加害者を変えていかない限り、
性犯罪もいじめも減っていかないのですから。

そして注意が必要なのは、性暴力では
加害者の行動変容には一般のアディクション(依存)治療とは違って、
被害者のケアや回復の視点も必要で、
「Wクライエント構造」が重要だということ。

■加害者に、被害者の話を聞いてもらうようになった経緯

いまプログラムの最終段階のあたりに、
被害経験者である、にのみやさをりさんが参加されることになった経緯のお話がありました。

※<注意>直接の当事者(加害者/被害者)を引き合わせるのではありません。
(加害者の矯正に被害者は協力する必要はないし、被害者のフラッシュバックや乖離の危険性が大きいため、ゼッタイ避けるべきです)

斉藤先生は以前に、「性犯罪被害にあうということ」の著者の小林美佳さんに臨床家同士の交流や対話の場所を作りたいという打診をされて実現しなかったそうです。
確かに被害者にとってリスクが大きいことで、納得されました。

その数年後、にのみやさん自身から直接加害者と対話したいという申し出があったことで、不安や悩みもあったけれど、実現した流れ。

■二次加害の構造、被害者を責める社会

実際に、ドラッグレイプにあった伊藤詩織さんも、ハニートラップだとか、ひどい二次被害にあわれています。

性加害でよく出てくるのが「夜間に出歩いていたのが悪い」「服装がみだら」等々、被害者にありもしない粗探しをして攻撃することです。

そういった男尊女卑で男性の加害を隠蔽する社会風潮が、
被害者への二次加害を生む
わけです。

このセミナーの中で、小林さんからのメッセージを読まれました・・・
=================
・自分が汚れていると感じたこと
・知られたくなくて、誰にも相談できなかったこと
・電車などで男性が隣に立つだけで恐怖を感じること
・レイプなどの文字を見るだけで吐いたり
・暗い道が怖くて、走ったり、足がすくんで動けなくなること
・カラオケや映画館にも行けなくなったこと
(密閉された空間への恐怖だと思います)
・被害にあった人たちとつながりたい
=================
など、胸を突かれるような言葉でした。

そこから、日本で初めてといってもいい実名と本人の写真を出して本を出すまでには、どれほどの葛藤と勇気が必要だったことでしょう。

フラッシュバックや乖離、二次被害などの恐怖を乗り越え、
それでも「被害にあった感情を、同じような被害者と共有したい」という思いから出版されたこと。

私は小林美佳さんが登壇されたイベントに参加したことがあります。
『いじめと犯罪は深刻な問題!!vol.3』2008年
https://plaza.rakuten.co.jp/gomomose/diary/200809230000/

このイベントの最中に、
いじめ加害者が開き直りの言葉の暴力を客席から投げかけてきたんですね。
当然、被害者側から「何言ってるんだ!」と反論が出て、
会場が騒然となりました。

その時に小林さんが壇上で具合が悪くなってしまい、
同じ登壇者の雨宮処凛さんが支えながら、
「大きな声が響くと、被害にあった状況がフラッシュバックされるそうなので、静かにしてください」と代弁されました。

そうなんです。
被害者はずっと、被害によって安全感を失わされる。

にのみやさをりさんは加害者との対話プログラムの中で、
「加害者には時効がありますが、
被害者には時効がありません」

と語られています。

被害者がどれほどの傷つきを経験するか。
脳は外見では見えませんが、
PTSDは実際にMRI画像で脳に傷ができるのです。

ストレスで胃に穴があくように、
レイプやいじめといった犯罪被害によって、
被害者の脳は穴や傷ができてしまいます。

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そしてこの脳の傷や穴は、
地震などの自然災害よりも、レイプやいじめの方が起きやすく、
PTSD罹患率も高いのです。
(さいとうクリニックの斉藤学先生は「レイプ被害者はほぼ100%
脳に傷が現れるね」と話されていました。)

そのため、被害者は日常生活のあらゆる場面で、困難が生じてきます。

しかし加害者は、自分の罪を反省するプロセスで
仕事の復帰や家族の再生など、自分の利益になることばかり考えて、
被害者に対してほとんど語らないそうです。

斉藤先生が
「もし自分の妻や娘さんが、こういった性被害にあったら、どうですか?」と話をふると、

即行で「ボコボコにしてやる。殺す」と返答するそうです。

「では、殺されるだけのことを、あなたはしたんですよね」と問い返すと、言葉に詰まる。

■自分の罪に向き合えない加害者たちと社会

加害者は、自分の加害行為を「なかったことにしたい」と考えます。

だから、斉藤章佳先生のプログラムで被害者の体験談を聞くと、
みんな無表情になる=「のっぺらぼう現象」が起きるそうです。

自分が犯した罪に向き合えないんですね。

そして、被害者への責任感がまったく抜け落ちているそうです。
これらは、いじめ加害者とまったく同じです。

加害者が本当に依存を手放して、行動変容していくには、
認知の歪み(被害者にも非がある等)の修正や、
責任に向き合い、真の謝罪と贖罪を行っていく
ことです。

上記イベントの暗器使いさんは壮絶ないじめを経験されてきた方で、
その内容は凄まじいものでした。

暗器使いさんは確かこのvol.2のイベントで、
「加害者は自分が行った罪を背負って生きてください」
と言われた言葉が、私にはとても印象深く残っています。

「なかったことにされる」というのは、
被害者にとって、自分という人間の存在を無視されていることでもあり、
モノ扱いされていることでもあります。

にのみやさんや暗器使いさんが
フラッシュバックや乖離のリスクを抱えながら
プログラムやイベントに参加されるのは・・・

もう被害者を生みたくない=一人でも被害者を減らしていきたい。
そして、加害者にきちんと罪に向き合ってほしい
という思いではないでしょうか。

理不尽な目にあって、一生の傷つきや困難を背負わされて、
(いじめでは、体の障害を負ったり、山形マット死事件や最近の旭川・爽彩さん凍死事件のように殺されることも多々あります)
知らぬ存ぜぬ・なかったことというのは許されません。

加害者は最低限でも罪に向き合い、
犯した罪の責任を背負い、償っていくべきです。

■私たちと社会が、今すぐできること

そんな性犯罪やいじめで、なぜか社会は加害者を擁護します。
それは、
・理不尽さを認めたくない
・加害者側のメリットを手放したくない
・助けられない自分の無力感を感じたくない
・被害者のせいにすれば、良心が傷つかずにすむ

からです。

特にいじめでは、学校が責任回避のために、積極的に
・証拠の隠蔽
・生徒や保護者への口止め
・アンケートの黒塗り
・加害者の人権だけを押し出して、被害者の人権や未来は無視
・被害者のつるしあげや罵倒
などを行って、もみ消そうとするわけです。
とんでもないですよ!!

私たちがすぐにできる/やるべきことは、
加害者の擁護=認知の歪みを正していくこと。

社会が加害者を擁護したり、被害者の粗探しをして、
二次加害をする風潮にSTOPをかけなくちゃいけません!

この斉藤章佳先生の連続ZOOMセミナーがもう1回残っています。ご興味のある方は、下記からまだ申し込みできると思いますので、どうぞ〜。

第8回 行為依存の診断・治療と再発防止プログラム
~物質依存から行為依存の時代へ~
https://www.enomoto-clinic.jp/ikebukuro/8853/

■いじめ加害者は、加害中毒(依存)

いじめへのアプローチというと、
いつも「やさしい心を」とかってスローガンが出てきますよね。

でも、いじめは「被害者の問題」じゃありません。
実際は、誰でも被害にあう可能性がある。
だから周囲の人は助けないで、自分の安全を守ろうとするわけじゃないですか。

つまり、被害者には何一つ特定の原因なんかないんですよ。

加害者や傍観者がぞろぞろと被害者の粗探しをしては責め立てますが、
それは「加害を続けるための理由づけ」であり、
理不尽さや良心から目をそらすための行為です。

他人から危害を加えられていい理由なんか、
この世に一つもありませんからね。


みんなわかっているように、
いじめ加害者って、確信犯です。

いじめが快感なんです。
タイトルの「○○○」は・・・「依存症(中毒者)」

ですから、自分のことしか考えない加害者に、
「悪いことだから止めよう」なんて言っても止めるわけがありません。

万引きでもレイプ犯でもそうですが、
止めるのではなく → どれだけバレないようにするかというスキルアップをするほどです。
(証拠の隠滅、動画を撮って被害者を脅すなど)

そこで、エゴイスティックな加害者に、

「いじめ加害者は、犯罪者になる確率が一般の6倍」という事実や、

6万加害者 のコピー

いじめ加害者は、たとえ結婚したり家族をもっても、
「パートナーへのDVをしやすく、子供への虐待をしやすい」こと。

7万加害者2016-03-29 のコピー

そう。加害を続けてると、幸せになんかなれねぇよ。

こういったデータを示すことで、
本人の止めるモチベーションや
社会意識の変革をめざして動画を作りました。

この動画は、クラウドファウンディングで
たくさんの方の応援をいただいてできあがったもの。

奇跡のようなご縁がつながってできた動画は、
来月12月12日で6周年を迎えます。
現在、計84万view!
早く100万viewになりたいなぁ。

いまも各地の学校で、細々とですが上映が続いています。

ぜひYoutubeでご覧いただいたり、
お知りあいにご紹介いただけましたら、とてもうれしいです!

【シェア歓迎!】いじめ根絶 加害者編 、傍観者編

P.S.
とても長い記事になってしまいました。m(_ _)m
リンクがいろいろありますので、お時間のある時にでもゆっくりご覧になっていただけるとうれしいです。
最後まで読んでくださったあなたに感謝でいっぱいです!

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