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失笑レベルの愚かな人たち。。。

どうやら、バレンシアでフェーズ0に残留となっている市町村も、来週の18日からフェーズ1に移行できそうだ、という報道がされています。実際、今日私が勤める店舗のマネージャーから来週から営業再開になりそうだという連絡がありました。政府による正式な発表は明日されるようで、バレンシア州政府も「良い感触だ」とフェーズ1の移行を匂わせているものの、まだ発表には踏み切ってはいないので、正式な発表を待つこととします(今までの経緯はこちら↓)

一方、ちょっとまずいな、という状況になっているのがマドリードです。報道では、マドリード州のフェーズ1への移行は来週も難しいだろうと言われているのですが、とうとうマドリードでデモが起きてしまいました。
ただ、このデモのムーブメント、実はクセ者だったりするのです(マドリードの今までの経緯はこちら↓)

デモが起きたのは、La calle de Núñez de Balboaという通りで、マドリードのサラマンカ地区に位置し、この地区の住民約100名近くがデモに参加したとされています。警察の制止もソーシャルディスタンスもお構いなしで、フライパンや鍋をカンカン鳴らしながら、政府に反対するデモが続きました。大きなスペイン国旗を振りかざし、スペイン国旗のついたマスクをし、「政府は去れ!」と書かれた
Tシャツをまとい、「(私たちは)自由だ!」「(政府は)共産主義だ!」と叫ぶ。。。

住民15万人を擁するこのサラマンカ地区は、スペインで最も保守的と言われているエリアで、PP (Partido Popular 国民党) を支持する人が50%、極右政党のVOXを支持する人が23%おり、その他トータルで8割の住民が右派を支持していると言われています(ちなみにPSOEをはじめとする左派は6%ほど)。
さらに、この地区の住民はスペインの平均年収の倍近く収入がある人たち、つまり富裕層と呼ばれる人たちなのです。

住民たちの言い分としては、
「私たちは税金を払っているのに政府は何にもしてくれない!」
(みんな税金払ってるし)
「このマスクも手袋も、買ったのは私よ!」
(みんな自分で買ってるし。そんなに言うなら薬局やメトロの駅で無料で配っているマスクを貰えば?)
「検査を受けるのに自費で払った、80ユーロも!(*注: プライベートの病院)」(なんで無料の社会保険の病院に行かないんだ?)
などなど。ちなみにカッコ内は私の心の声です。

なぜ、このデモのムーブメントがクセ者だと言ったのか、もうおわかりですね?とんだクソ野郎たちの戯言としか思えない。。。(つい乱暴な口調になってしまったことをお許しください)

で、さらに問題なのが、マドリード州首相のIsabel Días Ayusoをはじめ、マドリード市長、VOXの代表も「ソーシャルディスタンス等の基準を守った上であれば、抗議をしても構わない」とデモを奨励する発言をしているんですね。というか、むしろ煽っているのか?
結局ソーシャルディスタンスも何も守らない形でデモをしているわけだし、政治家がこんな感じのスタンスで良いのだろうか?

いずれにしても、このデモは本当にバカ野郎だと思います。
まず第一に、マドリードは感染被害が最も大きく、状況が改善されていても一番慎重になるべきエリアであること(カタルーニャでさえ、バルセロナのフェーズ1への移行は待つ姿勢でいるにも関わらず)。
第二に、基準はクリアしていると言い張っているものの、医療体制が本当に万全なのか疑問が残ること。
第三に、というより、これが一番問題であるのですが、このデモに参加している人たちは(全く)生活に困っていない人たちであるということ。

本当に生活に困っている人たちがデモや暴動を起こすのは、ある意味理解ができます。でも、スペインで最も裕福と言われるエリアの人々がこんな形でデモをするのは、全くもって無意味。というか健全なマドリード市民にとってはむしろ迷惑だと思います。ずっと我慢させられてきた不満は国民みんな一緒だし、もっともっと我慢している人たちは沢山います(むしろ困っている人たちを助けるべき。それができないなら、大人しくしとけよ!バーーーカ!!)。
そして、それを半ば利用しようとしているマドリード州の政府も本当に愚かだと思います。

というわけで、これ以上私の文章の語調が荒れるのも良くないので、これにて失礼いたします。

* 冒頭の写真、私のスマホから ”Quédate en casa (お家にいてください)”の表示が消えました。バレンシアのフェーズ1移行がほぼ確実になったからでしょうか?




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