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移動すら『優雅』に縁は無かった。~移動初日~

2021年 3月 13日 (土)

人生初長距離大移動引っ越しは、車も一緒に引っ越す関係で、フェリーでの移動となりました。
フェリーに乗ったのは人生でたぶん3路線目。
1回目は小学生の時、塾の合宿で行った小豆島へ。
大阪の弁天ふ頭から乗った記憶があるけどホントにそうだったかな・・・と思って検索したら、神戸からのフェリーしか出てこない。いやさすがに神戸まで小学生一人で行ってないぞ・・・ともっと検索したらマニアの人のブログが出てきて『1995年に航路廃止』とのこと。
記憶は合ってたけど悲しい事実を知ったな・・・

次が『明石のたこフェリー』。
これは知ってる。もう、航路どころか会社ごと無い・・・
徳島にゴスペラーズを追っかけて友人の運転してくれる車で行ったとき、淡路島を通るついでにアトラクション感覚で利用した。

小豆島もたこフェリーも大した距離ではないので、ものの数十分~2時間程度だった気がする。
しかし今度はレベルが違う。苫小牧からまず仙台、そこで降りる人が降り、乗ってくる人を乗せ、再出港して名古屋へ。船中2泊3日の旅。

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(さほど参考にならない参考図)

まず苫小牧港の待合ロビーが異常な光景。
とにかく、見渡す限りの自衛官、自衛官、自衛官。
と、その家族。
うちも自衛官の旦那と私、母と姪っ子の4人所帯なので、ガッツリその構図を増やしているメンバーのうちの1つ。
そしてその各チームを見送りに来ている自衛官、自衛官、自衛官。
普通の人がわかるかどうかわかんないんですけど、自衛官って、見たらわかるんですよ。分かりやすいポイントだけ言うと短髪でガタイがいいみたいなことなんですけど、それ以外のなんというか雰囲気的なものが自衛官。
そう、エントランスから待合ロビーまで、9割がその雰囲気の人間たち。
転属のピークなんだなぁ・・・と感傷に浸る時間も無く、お土産を買い、来てくれたみなさんに挨拶をし、チェックインするには体温を測る必要があるので、通常は代表者だけで手続きするのが、全員並ばなきゃいけないという若干の本末転倒な行列。仕方ない、フェリーはちょうど1年前の最初のイメージでみんなちょっとビビってるからな・・・
旦那の同期同士で結婚されたご夫婦さんも見送りに来てくださって、「どんどん同期が引っ越して寂しくなるー!」と。
とても気を使って下さり、「晩御飯って船内ですよね?お弁当買って来ましょうか!?お酒飲みます??おつまみと一緒に渡しましょうか!?」などいろいろとご提案いただいたのですが、ありがたいことにそれまでにもみなさんからいただいた手土産がすごい量になっていたので、これをぼちぼち食べながら行くのでどうぞお気遣いなくー!と。

旦那に聞いたところ、見るからに “できそう感” のすごいご夫婦だなぁとは思っていたが、奥様は自衛官を続けながらお子さんも3人いらっしゃる上に、日本でいちばんデカいあの駐屯地の女性自衛官のトップに。(ご本人曰く、「すっっごいヤだけど一番年上だからしょうがなく受けた・・・」)
姪っ子と、「どうみてもキャリアウーマン感がすごかった。なのにイヤな人感が全然無くて、めっちゃカッコよかった。やっぱりすごかったのか。」とひとしきり盛り上がり、憧れ、みなさんとの別れを惜しみながらも乗船し、せっかくなのでそこそこ寒いけど甲板まで出てみなさんに手を振り、その後は2人部屋2つに分かれて一息ついたところで船内の放送が。

「本日の運航は、悪天候による時化のため、かなりの揺れが予想されます。ご乗船いただいておりますお客様におかれましては、酔い止め、エチケット袋のご用意、また食堂やお手洗いなどお立ち歩きの際はお気を付けいただきますようよろしくお願いいたします。」

ほうほう・・・。乗船前にみなさんから、大きなフェリーだからそんなに揺れないよーと言われていたが、どれぐらいの天気によってどれぐらい揺れる予定なんだろうか。

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19:00
出港し、港が遠くなり、まだ余裕。
そもそも引っ越しが決まったときに、「車があるからフェリーで引っ越しになるんやけど、ママリンも来るー? 2泊3日かかるから、優雅な船旅しようや~(笑)」母「ええなぁ。この年までそんなおっきな船、乗ったことないねん。」と付いてくることになったんだけど。
小一時間経ってまだ「そこそこ揺れるねー。」と笑ってお菓子を食べるぐらいの余裕で部屋にいたが、ここから体感でわかるぐらい1分1秒どんどん揺れる揺れる。。。
そんななか、ナメ切ってた私たちは誰も酔い止めは飲んでおらず、まず母がダウン。気持ち悪いので部屋で寝とくわ・・・と。
その後、まだ多少余裕のあった私たちと姪っ子の3人で、食事に。
ホントはバイキングに行こうと予定していたが、母もダウンしてるしあまり時間も無いしで、

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大変軽めのパスタに。 左の袋は母へのおにぎり(2個入り)を購入。
これと頼まれてた酔い止め(ドリンクタイプ・2本入り)を買って部屋に帰り、母は酔い止めとおにぎりをひとつ。
そして姪っ子は母の様子見係、私ら夫婦も部屋へ帰り。

~ それから2~3時間 ~

いやもう、ホント。
揺れる揺れる。
トイレ行くのに立った瞬間、下からの突き上げで腰がやられかけた。。。
トイレまでの3メートルを必死で歩くっていう。
これ個室じゃなかったら、ベッドを出て廊下を歩いてトイレまで・・・無理やで。
なぜ自分の分の酔い止めを買わなかったのかと後悔しながら、しかしもう売店もフロントも閉まってるのでとりあえず朝まで寝てやり過ごすしか。
ヘリコプターに乗って航空写真を撮影してても平気な旦那までもが「これはさすがにちょっとヤバいかもしれない」と言い出し、とにかく寝る。
朝5時ごろ、ようやく "ちょっと揺れてるねー" ぐらいになってきた。
持ちこたえた・・・
隣の部屋の2人はどうなってるだろうか・・・
7時ごろに訪ねたところ、母は3回リバースしたらしく、ぐったり。
姪っ子はまさかの「全然平気やったで(笑)」
若さか? 若さなのか?? スポーツセンスか??
朝ご飯食べる気満々の姪っ子と一緒に食堂カウンターへ。

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名古屋コーチンTKGを。
凪ぎやなぁ・・・凪いどるなぁ・・・
深夜で見えなかった昨日の荒れっぷりも確認しときたかったな・・・

本日の目的地は仙台港。
船内放送によると予定通りの10:50に到着するらしい。
どうやったらあんな大荒れの中で定刻通りに航海できるんだ。
ちょっと遅れてもよかったらもうちょっと揺れなかったとか無いのか?
「仙台で待ってるみんながいるんだ・・・!!」(船長の心意気)なのか?

8時までに申請すれば、仙台で一旦下船できるらしい。
せっかくなので降りようと思うが、母はどうだろうか・・・

母「もう復活した。降りれる。牛タン食べれるわ。」

強い。 76歳強い。
4人分申請して、とにもかくにも最初の1泊が終了した。
今夜は晴れるといいな・・・

ちなみに船の中はスマホの電波がありません。
980円払えばWi-Fiが利用できるのですが、18~76歳の4人でケチりました
Youtube でも見てヒマつぶそうとか言ってましたが、もちろんそんな余裕はなかったのでセーフ。
いちばん困るのは、引っ越し屋さんとも不動産屋さんとも連絡が取れないこと。(でもWi-Fiで電話はできないのでこっちはどうしようもない)
電波が無いと天気予報も見れないので、今夜の海の状況がわからない。

晴れるといいな・・・(神頼み)

(続く)

いつかここの文章をまとめて同人誌にしたいという夢があります。