ツラツラ小説。ザットイズメリークリスマス。

ツラツラ小説。 ザットイズメリークリスマス。


 カーテンを閉めた部屋の中から、窓を開けて外を眺める。僕の部屋に陽は差し込まないが、一本先の道路が照らされてるのを見て、不意にそこに行きたいと思った。外に出てみると、思ったより寒かったのと、思ったより太陽が眩しくて目が眩んだのと、それを上回るさっぱりとしたスッキリしたような気持ちにもなった。

 暗い部屋か蛍光灯で照らされた部屋を行き来していたため、自然の光に触れたのは久しぶりだった。僕は、今、陽を浴びている。全身で浴びている。地面が凍って滑るから歩くけど、本当は走りたい気持ちでいっぱいで、どこか遠くへでも駆け出して行きたいような、そんな気持ちにもなった。小学生の時に空を見上げた時のようなそんな懐かしい気持ちになった。

 今頃、あの人はどうしてるだろうか。予定が変わったり、すれ違ったりして会う予定がなくなったり、またいつも通りの日常に不意に戻っていってしまうこともある。第一、仕事もあるから現実には戻る必要があるが、片時に、ファンタジーな世界にいれることが生きていく上で幸せを感じる瞬間なので、あの人のことを考えている。幸せな時も夜寝る前も、朝起きた時も。ふとした時に考える。また、考える。

 基本的には難しいことを考えられないから、元気で健やかにいてほしいしか思わない。そこに自分がいようがいまいが構わない。しかし、片隅で考えてくれていたらという遠慮した願望を常に持っている。この年齢でそんな難しいことを考えるなと歳上の方に言われた。でも僕にとってはきっとすごい単純で、ただ流れるまま、自然のままに生きていればいずれ巡りあう何かがあると信じている。

 しかし、とはいえ、まだ今の僕は途中で中途半端なままのつまらない奴なので、真剣に生きて、無様に生きていたいのだ。

 まだ、早い。幸せを噛み締めるにはまだ早い。目先の幸せを味わってさらにその先の幸せを味わうためにきっとこれからも生きていく。

 今日も明日も生きる。昨日以上のしあわせを掴むために。メリークリスマス。また来年も。
 

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