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雑文 #194 酷い暑さ

酷暑。

暑すぎるから、暑さの話題をしないようにしよう、という気持ちを越えるほどの猛烈な暑さ。


8月に入って、ベランダの植物に元気がなくなってきていた。ある日、コスモスが根のほうからぐったり倒れてた。暑さに合わせてもっとすごくたくさんの水をやらなければいけなかったんだ。起き上がってくれ、復活してくれ。どくどくと水をやるけど、もはや手遅れの株も。少し間引いた。間引くのが苦手だ。

人間も、植物も、暑いとぐったりする。


うちの猫は賢い。田舎の家に住んでいた頃は、冷房から逃げていたくせに、いまの小さな住まいでは逃げられない。涼しい顔して冷房にガンガンあたってる。外出時は部屋がうだるように暑くなるから、冷房をゆるくかけておく。つまり24時間かけっぱなしにする。「今日はそんなに暑くないしいいだろう」と思った日に止めて外出したら、タオルケットに吐いていた。えらい。環境に適応はするし、体調を主張する。


昔東南アジアに旅行したときに、なんて暑いんだろう、そしてなんて重いんだろうと思った。空気が重いのだ。湿気のせいだと思う。なんといっても、夜になってもさっぱり涼しくならないのが酷だ。若かったので汗をかきながら飛び回っていたけれど、ここに住むのはつらいと思った覚えがある。建物の中に入ると、冷蔵庫みたいにクーラーが効いていた。

そんなふうに、日本もなりつつある。昼間外へ少し出ただけで「これは危険なレベルの暑さだ」と思ったし、夜も空気がべったりと重い。冷房の中にいるしかない。外と内が別世界みたい。

猫みたいに適応しなくては。そして猫に倣えば、もし体調が悪い場合はちゃんと自己主張しなければならない。

「主張しなければならにゃいよ」と猫が言った。

「たくさん水を飲んでね」とコスモスたちも言っている。

人間ってどれだけ愚かに見えているんだろう。


#日記 #散文 #雑文 #暑い #植物 #猫



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