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雑文 #83

梅雨本番。

私は午前2時を過ぎぬと眠れなくなった。
というのも、その前に一度寝てしまうからだ。
治したい。このサイクル正したい。

寝る前にほぼ100%読書をするのだが、本の文化が乏しい秋田にて唯一あった某大手新古書店もなくなり、私は困窮していた。
東京のとある街に行ったら、古本屋が充実していて喜び勇んだ私は少ない時間の中梯子して小説を買い込んだ。
の中で最初に読んだのが角田光代著の『かなたの子』。

個人的に角田光代さんの作品には当たり外れがあると思っていて、当たるとすごい。
この『かなたの子』の筆力。
私は基本的に長編小説が好きなので、短編を手に取るときはテンション低めなのですが、この短編集には読み進めていくと気づく一貫したテーマがある。
そして全部が怖い。
ホラーとまではいかないが、人間心理の(とりわけ女性心理の?)奥を突く。
中でも「前世」という話がとてつもなく怖くてゾクゾクした。
だがただいたずらに怖がらせるだけでなく、なんだか心の奥にじんわりと入ってくるところが文学的だ、と思う。
最後に収められた「巡る」が、やはり怖いとこがあるのだが前を向こうと思わせてくれるため、読後感が良い。
もしかしたら、筆者はだいぶ昔の文学作品を読んで触発されたのかもしれない、と推察してしまうほど、日本の土俗的な物語と現代の物語が交錯されているという作りもいい。
つまり良い本に出会えて今夜の私は満足なのである。

この時季、植物の写真がどんどん増えていきます。
暇だってことでもないんだけど。いやむしろ忙しいんだけど。けっこう仕事してるんだけど。
だからこそ、ふと周りを見る時間は大切なのです。

雨や日差しや風を受けて、私もあなたも植物たちも、成長すればいいな。

#日記 #読書 #角田光代 #花 #散文

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