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獣医学生のたたかい① ~獣医学生にとっての試験とは~

 学生なのだから当然、獣医学生にも試験が存在する。ただ、我が大学の獣医学部において、期末試験とか中間試験という言い方はちょっと正しくない。なぜなら、年がら年中試験があるもので、別に『よし、学期末になったからまとめて試験をやるよ!』というテンションではないからだ。『あ、たまたまこの辺で授業終わったんで、再来週あたり試験やりまーす』という感じだ。計画性もへったくれもない。

 我々は、単位という姫を人質に取られ、教授というラスボスを倒すために冒険を繰り広げる勇者である。勇者は常に傷だらけで、愛しい姫(単位)に思いを馳せている。待っていてくれ、単位、必ず迎えに行くからな。

 ラスボスを倒すに当たって、我々に与えられる武器。それは、

  1. きちんと授業を聞いていた過去の自分

  2. きちんと授業を聞いていた自分による、難解なレジュメを解き明かすヒントのメモ

  3. きちんと授業を聞いている優秀な友達

  4. 過去問

 さて、現実に目を向けよう。試験といっても、別に全部が全部鬼畜のように難しい訳ではない。きちんと数年分の過去問を解いていれば、単位が取れる優しい試験だって存在するのだ。歴代の先輩方の血と涙の結晶、それが過去問である。試験勉強を効率よく進めるのに、この宝のなんと尊いことか。

 最初に言っておくと、獣医学生を待ち受ける試験範囲の広さは、ほぼ宇宙である。すべての事象を覚えきることなど、創造主ではない限り不可能なわけだ。過去問はそんな宇宙を前に立ち尽くす私たちに、救いの手を差し伸べてくれる。ほうら、この先生はこういうことを聞いてくるんだよ、ここだけ勉強しておけば単位が取れるくらいの点数は約束されるよ。

 過去問が愛しい。

 過去問を見ていると、その先生の問題の出し方の傾向がわかってくる。毎年おんなじような問題しか出さない先生なら、一年分過去問を完璧にすればオッケーだ。いわゆる過去問ゲーである。

 んで、手ごわいのはもちろん、過去問ゲーじゃないタイプの先生だ。まず、十分量の過去問が蓄積されていないタイプ。新任の先生だったり、カリキュラムが変わっていたりするとよくいる。

 次に、過去問はたくさん残っているけど、あまりにも問題のバリエーションが広すぎるタイプ。何年分過去問を解いても、初見の問題ばかり出てくる。こうなってくると、学生たちは沈黙するしかない。そう、宇宙へ旅に出るのである。

これから、私たちが広大な宇宙へと旅に出た記録を残そうと思う。題して、「獣医学性のたたかい」シリーズ。どうやって数多の試験を殺したかパスしていったかの記録である。


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