高山 桃
エッセイまとめです
てつがくまとめです
幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げる話
お久しぶりです。 表題のとおり、このたび、ホームページを作りました~。 ↑こちらです。 今までnoteで公開していた日記やエッセイのようなものを今後上記サイトにて公開していく予定です。 クローズドの場所なので、コメント欄を活用して文章を読んでくださる方々と自由にいろんな話をできたらいいなと思っています。 ライブ配信もできるようなので、いつかやるやもしれません。 ご興味ありましたら、どうぞご参加ください。 では~。
最近いろいろと学んだので書いてみる。 パートナーシップについて。 パートナーシップとは『愛』と『思いやり』と『自立』を実践し、『相互依存』の関係を築いていくことではないかと思う。 『愛』とは相手の幸せを願うこと。 『思いやり』とは、かなり具体的に書くと 『行動する前に、まず相手の状況を考えること。 相手の状況にとって自分の行動がまずいものだったら一旦行動を控えること。 相手の状況をみて、いい感じのときを待って自分のアクションを行うこと』 だと思った。 愛とは相手の
『オアシス』は友人Sから ・想像力 ・父性/オス ・シェアハウス というお題をいただいて書きました。 ありがとう! 例により想像力とオスは虹の彼方へ... お題をもらって書くのだ三部作の中で、どう書こうか一番とっかかりが掴めなかったのがこの作品です。 父性という壮大なテーマを描こうとしたら必然的に物語が大きくなっていくのだなぁというのが体感で分かりました。 他にも色々新しい感覚を得ることができました。 タイトルは再結成が発表された伝説のロックバンドからいただきました。
オスとは何か。父性とは何か。ある日の夜、清花ちゃんと俺はそんなことについて語り合った。 清花ちゃんはシェアハウスのルームメイトである。31歳細身の美人。人材派遣会社の事務をしている。金曜の夜はいつも帰ってこない。初めてカレーを振る舞った日の夜、「彼氏はいないよ」と言っていた。白い肌によく映えるピンクの唇で彼女は完璧な笑顔を作った。 ふうん、と返事をしてそれ以上何も聞かなかった。 誰にでも話したくないことはある。 8年つき合った彼女と別れ、一緒に住んでいた家を
お題をもらって短編を書いてみよう企画第二弾『風あざみのトマト』でした。 お題は、友人NKにいただきました! 彼女は漫画家で ・夏のおわり ・やきもち ・トマト と、さすがロマンチックなお題をくれました。 やきもち感が線香花火の残り香くらいしか匂っていませんが、好きな作品が書けました。 ありがとう。 NKも気が向いたら夏のおわり、やきもちでなんか描いてや。(ボソッ) 少女漫画家のやきもちみせてくれ。(ボソボソ) いただいたお題があと一セットあるので、いそいそ書きます
「知ってる?風あざみって井上陽水の造語なんだってさ」 「あの、『少年時代』の」 「そう。『夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれにさまよう』ってやつ」 そうなんだ、と相づちを打ちながら湯煎したミニトマトを手にとる。ヘタの反対側に爪楊枝であけた穴がある。するりと薄赤色の透明な皮をむく。 氷水で締めたそうめんの水切りをして、器に盛る。煮浸しの汁ごとナスとズッキーニを盛り付ける。最後に、普段よりもやや頼りなく繊細な雰囲気をまとうトマトたちをのせた。 「今年最後の、夏野菜そうめん~」
第二作の初稿を書き終え、手直しを始めるまで一か月のインターバルを設けることにしました。 その間ヒマだ、短編を書こう!と思い立ち、友人各位に3つの単語でお題をもらうことにしました。 『創作者の永遠の場所』は青色さん(@kumo0560)に 「風の通るところ」 「ひだまり」 「創作者の永遠の場所」 というお題をいただき、書き上げました! タイトルも『創作者の永遠の場所』にさせていただきました。 素晴らしいお題、タイトルをありがとうございます! 青色さんの絵は神社仏閣のよう
「そのちゃん、ほら、窓開けて、換気せな」 そう言って祖母はがらがらと音を立てながらガラス戸を開けた。表面に凹凸のある、厚くて重いガラスだった。滑りがよく、戸を開けたり閉めたりするのがいつも何となく心地よかった。網戸の代わりに日焼けした色のすだれが掛かっている。 私は普段ふすまで仕切られている部屋と部屋を横切るようにして寝転んでいた。 「えー、暑いやん。クーラーつけてるし」 「ちょっとの間クーラー消して、扇風機つけ。換気せな空気こもるわ」 外の風が入ってきた。
こんにちは、高山桃です。 幕末堕天譚、最終話まで書き上げることができました~!やった~! 初めて長編小説を完成させました。ひたすらに書けてよかった~という気持ちです。2年2ヶ月かかりました。 2022年1月に早朝の熊野本宮大社行きのバスに乗っていると、雪が降ってきました。 山道に雪が降り積もっていく様子がとても美しかった。 そのとき、ぼろぼろになった青年を背負って歩く青年の姿が浮かびました。 背負られている青年はもうすぐ死んでしまうんだな、この二人はどこにも逃げ場がないのに
雪緒は筑波山から半日かけて歩き、海へ来ていた。誰もいない岩場を探した。 小高い山と小さな島に囲まれた入江を見つけた。曇り空で、波は荒く、人影はない。 着物を脱いで下着だけになった。雪緒の全身を覆う赤い跡があらわになる。 腰ほどもある波に向かって泳ぎ出した。手には白い布に包まれた何かを持っている。 波は沖へと進もうとする雪緒を拒絶するかのように荒くうねっていた。 溺れそうになりながら、懸命に波をかき分けて進んだ。 ようやく、幾分か遠くへ辿りついたとき、雪緒は白い布
あらすじ 幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げます。 第一話はこちら 前の話はこちら *** 目隠しをされた命は隅田川の河川敷に晒された。石が投げられる。ガツンという衝撃が額を打った。冷気に似た感覚のあと、鼓動の波と共に痛みが走った。 これが初めに命に与えられた痛みだった。 かぐやを罵倒する声が聞こえた。命は震えていた。 大勢の人間に取り囲まれている。そんな気配がした。 「目を奪え!」 誰かが言った。下顎がガタガタと震え始めた
あらすじ 幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げます。 第一話はこちら 前の話はこちら **** 婀娜祇山の中腹に命と小十郎は取り残された。 命はあまりにも憔悴していて、これ以上歩けそうにない。山のふもとから大勢の人の声が聞こえ始めた。遠くに松明の灯りが揺らいでいる。 小十郎は京都や大阪で発生しているという民衆の狂乱を思い出した。 民衆は幕府の揺らぎを感じている。豪商たちは所有物や権利を失わないための方策に明け暮れ、庶民は混沌と共に
あらすじ 幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げます。 第一話はこちら 前の話はこちら *** 抜目たちは北上し、小塚原の北西にある婀娜祇(あだぎ)山に入った。戸田川から田端村崕雪頽までを覆う巨大な山群は正体を偽って江戸に入る者、出る者の身を隠す場所として使われていた。婀娜祇山は古くから神域と伝えられており、幕府にとって不都合な山でありながらその存在を黙認されていた。 急勾配の斜面に木々が鬱蒼と生い茂っている。婀娜祇山に逃げ込んだ者たち
あらすじ 幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げます。 第一話はこちら 前の話はこちら *** 歩けば動悸がする。頭は常に鈍く痛む。全身の骨がきしむ。両肩は板のように張っていて、すべてが重い。 目の下には真っ黒な影があり、まるでドクロのようだ。かぐやは顔上部を隠す面をつける。口元だけでも驚くほど老いているのが分かるだろう。こんな姿を雪緒にだけは見られたくなかった。 雪緒は見世に来るだろうか。来ないだろうか。来るはずだ。 命は強く信じ
あらすじ 幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げます。 第一話はこちら 前の話はこちら *** 健太郎は命を群青寺まで送った。健太郎は寺までの道をよく覚えていた。 命は何も話すことができない。これまで命の足を立たせ、命を命たらしめていた魂が砕かれてしまったかのようだった。寺の縁側に命を座らせた。命は頭を下にしてうなだれている。 あまりに細い命を支え、健太郎はなぜ命が江戸に帰ってきたのかを分かってしまった。 命は雪緒に会いにきたのだ。
あらすじ 幕末の江戸で新興宗教の神をしている青年が、神をやめるため江戸から逃げます。 第一話はこちら 前の話はこちら *** 命は群青寺にたどり着いた。一週間後にかぐや見世が開かれる。それまで小十郎に付き添われながら身体を休めることになった。 兄は姿を見せなかった。命は江戸から逃げるとき、兄の顔を思い出さなかった。自分たち兄弟はもう違う道を歩んでいるのだとふとした瞬間身に染みた。 ずっと兄に手を引かれて生きてきた。兄はいつも命を守ってくれていたような気がする。命は