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私たちはまだ恋をする準備ができていない #9 Satomi side

アラサー・アラフォーが恋をしたくなる小説。
あらすじ:さとみ32歳、琉生25歳。社内恋愛中。週末はどちらかの家で過ごすことが多いが今週は土曜日だけ、水族館デート。日曜日は別々に過ごすことにした。
※毎回1話完結なのでどこからでもお楽しみいただけます

久しぶりに1人で過ごす日曜日。元カレと住んでいたから借りた2LDKの部屋は、1人では広すぎる。

普段は仕事に行って帰ってくると寝るだけで、週末は琉生がいるので最近はこの広さが気にならなくなっていたが、改めて見回すとやっぱり広いなと感じた。

結婚までは行かなくても、一緒に住んでみるのはいいのかもしれない。

実際元カレとは相手が煮え切らないまま、別れることになってしまった。

お互いの甘えや価値観の違い、心のすれ違いなど、細かいことを挙げればきりがない。

なんだかんだで、平日は一緒に居ない分、まだ見えてないことが沢山ある気がする。

琉生は結婚したがっているけど、一緒に暮らしたらまた違ってくるだろう。

次にタイミングが合ったら話してみよう。

そう思ったときに、スマホが光った。琉生からのLINEだ。

「おはよ。仕事進んでる?」

仕事があるのはほぼ嘘なので、ちょっと胸が痛む。

「うん、順調」

「24日どうする?さとみの家行ってもいい?」

「いいよ」

そう返事をすると、やったあー!というパンダのスタンプが送られてきた。

顔に似合わず、かわいいスタンプ買ってるんだよなあ。そういうギャップがほほえましいというか、25歳の男の子なんだなあ、と笑ってしまう。

「食べたいものあったら言って。買っていくから。さとみは何にもしなくていいよ」

「琉生が大丈夫なら、駅で待ってるから一緒に買いに行こうよ」

「あ、そっか」

たまに行く輸入食料品が充実しているスーパーマーケットにでも寄れば、何かしら買えるだろう。

「ケーキだけ予約しとくね」

なんとなくあったほうがいいかな、と思ってさとみから切り出した。当日買えなかったらちょっとガッカリだから。

「うん、楽しみ」

「じゃあ、仕事するね」

さっきのパンダの「オッケー」バージョンのスタンプが送られてきた。

クリスマスイブか・・・。

初めて一緒に過ごすクリスマス。

「わ、もしかしてプレゼントとか用意しておくべきなんじゃないの?」

ゴロゴロしていたベッドから飛び起きた。

イブは木曜日だから、もう時間はない。

ネットで注文もできるが、平日、確実に受け取れるかというと微妙。

今日、琉生と一緒じゃなくてよかった・・・。

急いで着替えながら、どこに行けば何が買えるか、思いを巡らす。

とりあえず沿線のターミナル駅に行けば、百貨店やショッピングモールがある。

全然リサーチしてなかった、という焦りとともにさとみは家を飛び出した。

*** 次回更新は21日(月)15時の予定です***

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