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佐々木蔵之介さんのご実家の酒

「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第5巻には、京都市内で唯一残
っている酒蔵「佐々木酒造」の佐々木晃社長さんが実名で登場します。
 佐々木酒造さんは、俳優の佐々木蔵之介さんのご実家です。
実は、酒蔵は蔵之介さんが継ぐ予定で、神戸大学農学部で醸造を学んでおられました。社長になるのは、営業ができないといけないと考え、オシャベリが上手くなるために劇団に入りました。そこで運命が変わります。そう、売れてしまったのですね。
やむをえず大企業に勤めておられた弟さんが、会社を辞めて酒蔵を継ぎました。
家を継ぐということ。
特に1200年の歴史の町ではたいへんなことです。
そしてそれは、「もも吉」シリーズの一つのテーマでもあります。
 
小説の中で、このように紹介しています。
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京都の街の地下には大きな水瓶があると言われている。三方の山から岩盤を伝って流れ込んだ地下水だ。その水量は琵琶湖の八割にも匹敵すると言われている。そのため、市内各所で「名水」が湧き出る。その水を使って、古くから豆腐や湯葉、生麩が作られてきた。そしてもう一つ、忘れてはならないのがお酒である。
今でこそ京都の酒といえば「伏見」が有名だが、明治期には洛中に百三十軒もの酒蔵があった。もも吉庵のある祇園界隈にも多くの蔵元がひしめいていたという。それが時代と共に淘汰され、現在一軒きり残っているのが「佐々木酒造」なのだ。豊臣秀吉が築いた聚楽第の遺構址に工場があることから「聚楽第」と名付けた銘柄の酒を作っている。
 
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写真は、5巻の発売を記念して、いつもお世話になっている全国の書店員さんへのお礼として、佐々木酒造さんに作っていただいた5巻発売記念のオリジナルのお酒です。非売品。
このラベルの「もも吉」の文字は、志賀内が書きました。
上等な筆を購入して丸一日書き続けたのですが、編集部のオーケーがなかなか出ません。
結局、手元にあった筆ペンの文字が一番きれいに書けました。

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