作家・志賀内泰弘

著書に「№1トヨタ レクサス星が丘の奇跡」「なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?」共に…

作家・志賀内泰弘

著書に「№1トヨタ レクサス星が丘の奇跡」「なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?」共にPHP研究所、「なぜそうじをすると人生が変わるのか?」ダイヤモンド社等多数。小説は有名私立中学の入試問題に採用。PHP増刊号に小説、毎日新聞等にエッセイを連載中。

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志賀内泰弘の             「京都あんなんこんなん案内」

「京都祇園もも吉庵のあまから帖」(PHP文芸文庫)シリーズの著者・志賀内泰弘が、毎週のように足繁く通う、京都の大路小路の社寺・スイーツ・飲食店・奇貨、ときに祇園のお茶屋遊びの出来事など、取材メモから、ほっこり、まったり、はんなりと紹介します。   毎話、主人公「もも吉」が、悩み事を抱える人々に、時にさりげなく、時に励ますような名言・至言を授けます。それが、それがこの小説の人気の源になってます。少々、ネタバレになりますが、例えば、8巻ではこんなセリフが。

    • 憧れの祇園祭宵山デートで、苦い目に遭った思い出

       おかげさまで、拙著「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズは、第9巻までお話を重ねることができました。どの巻も、京都の名所旧跡やスイーツとともに、春夏秋冬の四季の移ろいを5つのストーリーの中に編みこんでいます。  そんな中、もっとも登場回数の多いのが祇園祭です。  期間中、洛中をぶらぶらするだけで、心が躍ってしまいます。  特に、私が好きなのは、山鉾巡行の前夜の「宵山」です。 夕ぐれどきになると、各山鉾町からは鉦、横笛、太鼓の祇園囃子が聴こえてきます。 「コンチキ

      • 祇園祭の「鉾建て」を、時間を忘れて見入ってしまう

         祇園祭が好きです。  学生時代に、初めて山鉾巡行を見に来た時には、「雅さ」と「荘厳さ」に圧倒されて感激してしまいました。 ところが、その時は、祇園祭というと、その山鉾巡行のことをいうのだと勘違いしていました。 祇園祭は、7月の1日から始まります。1日は長刀鉾町のお千度という、その年の神様のお使いであるお稚児さんが八坂神社に神事の無事を祈って参拝する行事があります。それから5日の稚児舞披露、5日の綾傘鉾のお稚児さんの参拝・・・そして、17日の前祭と24日の後祭の山鉾巡行と

        • お御籤で「吉」よりも、「凶」が引きたいと願っても、なかなか出ないものです

           おかげさまで、拙著「京都祇園もも吉庵のあまから帖」の第9巻が発売になりました。  この第5話のプロローグでは、「お御籤」が重要なポイントになります。 初詣に行って、「凶」を二回続けて引いてしまった新聞記者の勇が、どうしようもなく落ち込んでしまうシーンで、主人公のもも吉が、こう諫める一方で励まします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「勇さん、あんた間違うてますえ」 「え?」 「おみくじの凶は、少しも縁起の悪いことやあらしまへん」 「

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        志賀内泰弘の             「京都あんなんこんなん案内」

          京都は梅雨時でも花とスイーツで楽しめる

           雨が似合う花といえば、ダントツ、紫陽花でしょう。  京都で紫陽花といえば、なんといっても三室戸寺。  その数、2万株というから、圧倒されます。 そして、善峯寺に楊谷寺、三千院が有名ですが、どこも京都駅から遠いところが難点です。 そこで! オススメなのが桔梗です。 拙著、「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第3巻では、「桔梗流」という茶道の家元が登場します。もちろん架空の名前です。その家元・明智夢遊が、京都市内の桔梗巡りをするシーンがあります。(以下抜粋) ・

          京都は梅雨時でも花とスイーツで楽しめる

          京都では6月30日に水無月を食べるのが習わし

           遥か昔のことです。  忘れもしない6月の30日。  梅雨の晴れ間でした。  仕事で京都を訪ねた際、帰り道に乗ったタクシーのドライバーさんから、  「いいお寺があるから、寄って行かれませんか?」 と勧められたのが源光庵でした。紅葉の名所です。 「紅葉の時期じゃないし・・・」 と言うと、 「こういう空いている時期が一番ええんですよ」 と。 たしかに、紅葉狩りに出掛けても、混雑に疲れてしまうこともしばしばです。 源光庵は、「悟りの窓」と呼ばれる丸い形の窓と、「迷いの窓」と呼

          京都では6月30日に水無月を食べるのが習わし

          言うは易し、行うは難しの京都のお寺の掲示板

           人生で、三度、とてつもなく辛い目に遭ったことがあります。  一度目は、35歳の時。  上司のパワハラに遭って、耐えに耐えたあげく、内臓が爆発するかのように大量出血して生死を彷徨いました。  二度目が、45歳の時。  ほぼ同時に両親が病に倒れて、仕事と看病の両立に疲れ果てた末、心身共に限界となり、会社を辞めました。  そして、三度目が、51歳の時でした。  愛する妻が、末期のがんに罹っていることがわかり、24時間365日、6年間にわたって寄り添い看病介護をしました。  三度目

          言うは易し、行うは難しの京都のお寺の掲示板

          京都祇園甲部のお茶屋遊びの前に、親子丼で腹ごしらえ

           その日は、懐が大いに温かい友人のGさんに誘われて、祇園甲部の「一力亭」へ、お茶屋遊びに出掛けることになっていました。  祇園甲部に限らず、先斗町、上七軒など京都の五花街はいずれも「一見さんお断り」です。取材のためにお茶屋「吉うた」さんへは足繁く通っているものの、他のお店へは誰かのお供でなくては、立ち入ることはできません。  なにしろ、大石内蔵助も遊んだという老舗です。  建物自体が文化財級。  わくわくして、当日を迎えました。  さて、その前に、軽~く腹ごしらえです。

          京都祇園甲部のお茶屋遊びの前に、親子丼で腹ごしらえ

          お昼にお値打ちな、京都の老舗料亭のお弁当

          京都吉兆嵐山本店  菊乃井本店  下鴨茶寮本店  和久傳  瓢亭本店  中村楼  たん熊来北店本店  などなど、京都には名だたる老舗料亭があります。 でも、懐石料理をいただくためにお座敷に上がるのは臆します。 一番安いコースでも2~3万円。お任せとなると、10万円を超えてしまいます。  そこで、オススメなのが、一流料亭のお昼のお弁当です。  なにしろ夜のコースと同じ板前さんが作って下さる料理が、比較的お値打ちな価格で食べられるのですから、こんなに嬉しいことはあり

          お昼にお値打ちな、京都の老舗料亭のお弁当

          ブラック企業の社長に見せたい京都の寺の掲示板

           京都の街を、取材がてらブラリと歩いていて、ドキリとしました。    「あなたは   ほんとうに   人を人として  見ていますか」 (真宗大谷派正善寺の掲示板より)  人を見下して接していないか。  なんぴとにも、思いやりの心で接しているか。  タクシーの運転手さんが道を間違えた時、上から目線で文句を言っていないか。  レストランで覚めたスープが出て来た時、大らかに対応できているか。  心の中に、ついつい、  「お金を払っている客なんだぞ」 という慢心した自分が

          ブラック企業の社長に見せたい京都の寺の掲示板

          知る人ぞ知る京都の桜の穴場スポット

          しばしば尋ねられます。  「混雑していて人込みを見に行くのが好きではないんです。 京都で、穴場の桜の名所を教えてください」 そんな時、 「一条戻り橋の河津桜です」 と答えます。 一条戻り橋といえば、こんな言い伝えがあります。平安の世に、文章博士の三善清行が亡くなり、その葬列が一条戻り橋を渡っていた時のこと。  熊野で修行をしていた三善の息子が駆けつけて、その場でお経を唱え始めたというのです。 すると、にわかに空に雲が立ち込め、雷鳴が響き渡たり、棺の蓋が突然開いた。

          知る人ぞ知る京都の桜の穴場スポット

          アイドルの声を心配するファンにも信仰集める京都の神社

          「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第6巻で、「喉の病」にご利益があると言い伝えられている「おせき社」のことを描きしまた。 本文より、抜粋します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「稲荷山の中腹にある『おせき社』のことや」 「名前だけは聞いたことありますえ」  もも吉は何度か「お山巡り」をしたことがある。しかし、頂上を目指すことばかりに気が向いてしまい、途中にある社にあまり記憶がない。 「それがな、うちの檀家で喉

          アイドルの声を心配するファンにも信仰集める京都の神社

          オシャレな京都祇園の火災報知器

           祇園の街は、観光客で賑わう花見小路から一筋入るだけで、いっぺんに静かになります。  拙著「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズでも、こんなふうに描いています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 花見小路も観光客でいっぱいだ。その雑踏から逃れるようにして、細い小路を右へ左へと曲がる。するとそこは、お茶屋が軒を連ねる異次元の世界。まるで映画のセットのようだ。ふいに幕末の志士や新選組の隊士が、刀を手に飛び出して来ても不思議ではな

          オシャレな京都祇園の火災報知器

          京都・知恩院のエンタメサービス精神に感服

          京都を舞台にした小説を書いていることから、お寺や神社さんのホームページを頻繁に検索します。  どこも、一般企業顔負けのデザインで、参拝者を増やそうという気持ちが伝わってきます。  その中でも、断トツで、ホームページに力を入れていると思われるのが、 「浄土宗総本山 知恩院」です。↓ https://www.chion-in.or.jp/ しばしば更新されるので、いつも同じではないのですが、 私がこの文章を書いている時には、こんなキャッチコピーが並んでいました。 「お

          京都・知恩院のエンタメサービス精神に感服

          牛車の鳴音にびっくり! 葵祭

           友人が舞台で舞いを披露するというので、見に行ったことがあります。  演目は源氏物語の第9帖「葵」です。  というよりも、「車争い」といった方が、ピンと来る人が多いでしょう。  葵祭(当時は加茂祭と呼んだ)の前儀である斎院御禊の際に、行列に光源氏が加わるので、光源氏の正室「葵の上」が牛車で見物に出掛けます。  ところが、そこへ光源氏の恋人の一人「六条御息所」も牛車でやって来ます。  二人の牛車は、一番のビューポイントを巡って争いになり、ぶつかり合うのです。  「六条御息所

          牛車の鳴音にびっくり! 葵祭

          京都「緑寿庵清水」さんの金平糖の作り方

           小説やエッセイを書いていると、ときどきと「役得」に恵まれます。  普段の生活では、会えない人と話ができたり、  工場の裏側を覗かせていただけることがあるのです。  例えば、トヨタの水素カー「MIRAI」を取材した際には、開発責任者に会って製造時の苦労話を伺えました。  また、「翼がくれた心が熱くなるいい話」(PHP研究所)という本を書いた時には、当時、企業再生中の中で働くJALの人たちの、生の声を聴くことができました。  さて、「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリー

          京都「緑寿庵清水」さんの金平糖の作り方