何が問題かわからない組織やチームは、まずマネージャー自身が問題

このツイートはものすごく示唆に富んでいて、すごい頷いてしまいました。

病院の品質を向上していくために、各部署の所属長とお話をさせていただくのですが、うまくいっている部署の所属長に共通しているのは、自身の部署におけるボトルネック(課題や問題)をちゃんと理解されている、ということです。

まず何にしろ、自分たちの目の前に置かれている課題や問題をちゃんと理解していないことには、改善のための施策や部署運営を担っていくことは難しいな…と感じます。

ただ、この「ボトルネックを把握しておく」という一言には、様々なことが内包されています。分解していくと、仕事や改善をうまく進めていくために必要な能力がわかってきました。

そもそも問題、課題って何でしょうか?

「問題」とは、自分が理想とする状況と実際の状況との間に存在している「ギャップ」のことです。目標を達成するために解決しなければならない事柄を指します。
「課題」とは、問題を解決するために具体的に取り組むべき「タスク」のことです。

https://www.programming-cloud.com/column/children/2024-02-21/#:~:text=%E3%80%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%87%AA%E5%88%86,%E3%80%8C%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

この定義からすると、問題を把握するために必要なこととは、3つのステップがあります。

すなわち、

  1. 自分が理想とする姿が描けている

  2. 実際の状況がわかっている

  3. ギャップを見つけることができる

となります。ひとつずつ見ていきましょう

①自分の理想とする姿が描けている

まず、そもそも、理想の姿(目的やビジョン)がないとギャップもクソもありません。理想の姿を描いて常にそれを目指しているという状況が必要です。自分たちの部署が存在する目的はなんなのか、患者さんや他部署にどのような価値を与えようとしているのか、近い将来どういう状態になっていることが理想なのか、そういうことを描けないと日々の業務をこなすことが目的になります。

毎日が根本的な課題や問題解決のためでなく、出てきた事象ををモグラ叩きのように叩くだけの日常になります。モグラが出てくる根本の問題や課題、もっと重要な部下とのコミュニケーションであったり、人材育成、将来的な部署設計など緊急性はないけれど、重要度が非常に高いことに手をつけることができません。

手当たり次第問題や課題に思えるものに手をつけて、そのせいでやらなくても良い改善をしてしまうという可能性も出てきます。

②実際の状況=現状を把握している

課題や問題をわかるためには、現状を把握しておかなければなりません。

実際に医療が提供される場面での現状を把握していなければ、何が問題か、課題かを見つけることができません。

現状を把握するという技術には、部下とのコミュニケーションと観察力が必要になります。

部下は現状を見て働いているので、その部下が把握していることをコミュニケーションをとって何を感じているのか、何を経験しているのかを引き出す必要があります。

自ら色眼鏡をかけないで現地、現物、現場を見て観察することも必要です。

事件は現場で起こっているからです。

③ギャップを見つけ受け入れることができる

問題、課題は自分たちの理想の姿(目的やビジョン)との差なので、そのギャップを意識的に見つけなければなりません。

重要なのは、見つける能力だけでなく、向き合うだけの器の大きさ、精神力が必要だということです。

できないことに向き合うので、目を覆いたくなったり、そらしたくなることもあります。向き合うことがめんどくさいこともあります。心が折れたり、痛んだりすることもあります。

でも、できないこと、できていないことを直視しなければそれを改善して、物事を進めていくことはできないのです。

そういう意味では、マネージャーには謙虚さが求められるなと思います。

「問題などあるはずがない」「問題は見たくない」という傲慢な態度だと、理想があっても、現状をちゃんと把握できても、その差分を見つけたり、それを埋めたりすることはできません。

謙虚さを持ってそのギャップを見つめて、心に記録しておく度量がないといけないのだと思います。

このように、何が課題で、何が問題なのかを把握するためには、ある程度のフレームワークと技術と課題や問題に向き合う覚悟が必要なのです。どこが欠けてもうまくいきません。

これらの技術を身につけていないマネージャーは、日々のモグラ叩きに追われて、チームや組織をうまく動かすことは難しいと思います。チームや組織のメンバーが働きにくい、うまく機能しないのは課題や問題があるからで、それを見つけて除去する役割があるのはマネージャーです。

その役割を放棄している場合、その組織やチームにとってのボトルネック=問題はマネージャーになるのだろうなと思います。

自分の持ち場で、常に目先は理想を描いて、地に足をつけて、謙虚な気持ちで粛々と課題や問題を見つけていきましょう。

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