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計画が目の前で壊れていったとしても、目標を達成するために立て直し続けていこう

メン獄さんがXでおっしゃる通り、立てられた計画というものは、壊れるために存在しているのです。これは真理です。

所属の病院において、各部署に医療・サービスの質の改善を支援しております。毎年2月から3月にかけて、現時点での部署の課題を抽出して、優先順位を決定して、次年度の目標を決めて、指標を決めて、改善計画を立てていただいております。

その改善計画を年度の終わりまで、遅れなく遂行できる部署は、ほとんどありません。

いえ、できなくて当然なのです。

長い期間の計画を立てるような業務、つまり病院にとっては未来への投資となるような業務・質の改善やビジョンの遂行、人材育成などは、計画通り遂行しなくても現在や近い未来の収入を大幅に下げることはありません。

日々のルーチン業務、診療報酬につながり病院の収入に直結する業務の方が優先順位が高いです。

そのような業務は患者さんに対しての業務なので、重要度も高く、緊急度が高いものでしょう。

苦しみ、疾患を抱える患者さんに「ちょっと待っていてくださいね」と横において置いて、部署の改善などやっている場合ではないのです。

計画を遂行する上での想定外などもあります。

想定したよりも実施事項の難易度が高かったり予定よりも多い工数がかかってしまったり、任せたはずの人が動かなかった、抵抗勢力が出てきてしまったなどのトラブル、イレギュラーもあります。

皆さん忙しい中で業務を行なっているのです。

計画を遅延したことがない人だけが、石を投げるべきです。

となると、この世に、小学生の頃の夏休みの宿題の計画も含めて、立てた計画は全て予定通り遂行してきた方など存在しないので、誰も他人を責めることはできません。

だからといって、「計画を立てても守らないのが当たり前であれば、計画を立てても意味はないからやめよう!」と子供みたいにイジけて、拗ねて、計画を立てないという選択肢はありません。

計画は立てないことには、将来への投資ははじまらないのです。

では、計画を立てる目的は一体なんでしょうか。

それは、「目標を達成するため」です。そのために計画を立てているのです。

あくまで計画は手段であり、計画を立てることが目的ではありません。

すなわち、目標が達成されれば、計画などどうでも良いのです。

ただ、目標を達成しやすくすために、目標を細かく砕き、リストアップして、誰がいつどのように行うかを決めたものが計画です。

目標の大きさにもよると思いますが、一つのアクションで達成できるようなものは目標とは呼びません。

大抵はいくつものプロセスを経るものなので、一つ一つのアクションに落とし込む必要があります。そうしないと大きな目標を達成することはできません。

計画とは、目標を達成するために、常にいつ、誰が、何をしなければならないかを意識させるためのものです。

では、目標を達成したいが、計画が何らかの原因でうまくいかないことが分かった時、私たちが行うべきことは何でしょうか。

ただ茫然と、壊れゆく計画を見つめることでしょうか。

その計画から逃避して、ごまかしながら、年度末まで待ち続けることでしょうか。

それは、「計画を立て直す」ということです。

どうにかこうにか期限までに目標を達成することができるように、計画を立て直し続け、できるだけ計画に沿った形で、日々の業務の合間を縫ってアクションを行い続けるということです。

そしてまた何か問題があって、計画がうまくいかないのであれば、また計画を立て直し続けて、目標を達成することしかできないのです。

そこに、特効薬や必殺技は存在しません。

どうしても、病院という場は、組織・部署の計画を期限通りに行うという意識が低いものです。

プロジェクトの遂行に対して対価が支払われるような業界は、計画通りに行くか行かないかが生死を分けます。

目の前にいる患者さんは、治療期間は短ければ短い方が良いけれど、患者さんや家族が納得するまで、マイナスをできるだけそのマイナスを少なくする、あるいはゼロに持っていければ良いな〜という計画の立て方をします。

計画通り行かずとも、そこまで責められることも、収入が大幅に減ることもありません。人の体なので、不確定要素が大きいですし、人の命を扱うという意味で、資源や時間を大幅に使っても良いという神聖さもあります。

しかし、緊急度は低いけれど、未来への重要度はものすごく高い業務というものは、どんな組織にも存在します。病院も例外ではありません。

そういう業務は、長期的な計画を立案し、アクションを行い、うまく行かなければ修正をして、できるだけ目標を達成しなければ病院の存続自体が怪しくなってしまうかもしれません。

計画は壊れるために存在します。人が人を信じられないがために作らせる悲しい産物かもしれません。

だとしても、自分の持ち場で目標を達成するために、今日も粛々と計画を立て直し続けて実行していきましょう。

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