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小説 「불편한 편의점(不便なコンビニ)」が韓国語教材に最適な理由

5月に4年ぶりにソウルへ行ってきました。もちろん観光やグルメがメインですが、私はやはり教保文庫(書店)は外せません。最近は電子版ばかり読んでいたので、久しぶりに紙の本が読みたくて…でもたくさんあって何をどう探せば良いやら、店内をうろうろしてしまいました。そこで思い切ってベストセラーの棚へ。ちょうど新しい桜の表装の불편한 편의점が並んでいて、いつか読んでみたいと思っていたこともあり、迷わず手に取りました。読み始めると、初めから引き込まれて、夢中になって読みました。読みながら感じたのは「この本は教材にぴったりだ」ということです。その理由は3つ。

日常よく使われる単語や表現が多い
ベストセラー作品=大勢の人が読む=誰でも読める
とにかく面白い、心温まる作品

では、詳しく見てみましょう。

日常よく使われる単語や表現が多い
ソウルの下町の、あんまり冴えないコンビニを中心にした庶民たちが主人公のお話です(詳細は下の小学館のサイトで)。古いアパートがごちゃごちゃ並ぶ町並み、コンビニの外のテーブルで焼酎を飲むのを一日の楽しみとしているおじさん、公務員試験の準備をしているアルバイト生、パートで働くおばさんと家族の話しなど、使われている単語や表現が、ソウルに行けば今すぐにでも使えるのではないか、誰かが話しているのを聞き取れるのではないか、と思わせるものばかり。つまり、身につけておきたいと思わせる言葉ばかりなのです。

ベストセラー作品=大勢の人が読む=誰でも読める
下の小学館のサイトによりますと、「韓国でシリーズ累計150万部(2023年6月現在)、世界各国で出版され、舞台化、ドラマ化も進行中の大ベストセラー」とあります。大勢の人たちに読まれている、つまり誰でも読めるという意味でもあります。そう、韓国の方ならこのレベルの韓国語は誰でも読むのです。先日、韓国の知り合いにこの本の話したら、その方の中学生のお嬢さんが読んでいると言っていました。(そうか…これは中学生でも読めるんだ…と思って一瞬落ち込みましたが…)少しでも韓国語原文の読解力を上げるには、やはりベストセラーを読まなくては!

とにかく面白い、心温まる作品
小説を教材にする場合、やはり面白い作品だとやる気が増します。一見とても平凡なお話なのに、そこは人と人の関わり、深い愛情、信頼など、心温まる場面で埋め尽くされているのです。背景がコロナ禍というのも今どき感があって良いと思います。

불편한 편의점は、正直言って私が普段好んで選ぶジャンルではないこともあってか、知らない言葉が多く、それはそれは辞書をたくさん引きました。でも「知りたい」という気持ちから、ほとんど苦にはなりませんでした。一度辞書を使ってメモを取りながら読み終えた後、今、もう一度読み返しながら少しずつ単語を暗記しようと試みています。たくさんありますが、話がわかっていて情景が浮かぶので、意外と覚えられるようです。すると不思議、覚えるそばからドラマに出てきたのが聞き取れたり、他の文章で使われているのに気づいたり、一度も会話で使ったことがないのに、すっと口から出てきたり…。これって、トキメキませんか?記憶の引き出しにしまえる実感があるのです。こうなると身につくレベルまでもう少しですよね。

暗記には、久しぶりにフラッシュカードアプリ(Quizlet)を使っています。単語の暗記は決して得意ではありませんが、脳がちょっと活性化される気分で、新鮮な気持ちになっています。

ここでお勧めポイント。

単語はフレーズで覚えよう。

動詞や形容詞の変化、使い方、新しい単語を複数同時に覚えられる、という利点があります。単語をぽつんと1つずつ覚えるより楽しいです。

例えば、
대걸레 같이 떡이 져 있는 장발 (モップみたいに脂で固まった長髪)
〜 불편한 편의점

面白くないですか? このフレーズを覚えた直後に、ちょうど楽しく見ていた韓国ドラマ「ムービング」で主人公の高校生ボンソクが学校に遅刻して、罰としてトイレ掃除をやらされている場面で「아, 대걸레…」と呟くのが聞き取れたときの感激たるや…。たかがモップですが、ときめいてしまいました💕

不便なコンビニ あらすじ

書籍購入 チェッコリ(日本)
書籍購入 アラジン(アメリカ)

#ムービング

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