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読書感想文『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子著

今回は、かなりネタバレありなので、知りたくない方はスルーでお願いします。


まぁ、ベタなところから言うと

読書好き、作者川上未映子さん好き

な方には、まぁ、好感度は高いだろうと思います。

読書が苦手、川上未映子さんの作品に興味はない

という方には、この作品は全くおすすめできません。

めちゃくちゃ反論がくるのを承知で書きますが、


だから、読書離れが進むんだよ。

と私は思いました。

ぶっちゃけ、つまらなくはないです。

全編350ページ、それなりに読めました。

でも、20代の私だったら確実に途中で挫折してたと思います。


ここからネタバレありです。



まず、この物語は主人公の日常を描いた物語です。

なので、オチも結局日常のままです。

日常だからなのかわかりませんが、作中にはやたら

『肯く』(うなずくだと思うんですが)、という言葉が出てきます。

お前、それしかできんのか?っていうくらい、肯いてばかりいます。

それと、以前、butterだったかな?でも書いたんですけど、

この作品も

タイトルありきのストーリーだったと思います。

『すべて真夜中の恋人たち』っていうフレーズがあって、そこから物語を作る。。みたいな。。

いや。それは違うって言われるかもしれないけど、

私からしたら、あのラストはこじつけにしかみえなかった。

はぁ?なんでここへきて、急にそんなことを持ち出すの?みたいな。

裏表紙には、

芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべてのかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

と書かれてますが、究極の恋愛という言葉に惹かれて読んだ私は、完全にアテが外れた気持ちです。

まぁ、恋愛小説ではあるんだろうけど。。



この小説で唯一良かったことが、

主人公目線で描かれていることです。

『冬子が』でなく『私は』で描かれていること。

これは大正解だったと思います。

良かったのはそれだけです。

これまたベタに言うと、最初は

人付き合いが苦手な方、人と接するのが苦手な方、話すのが苦手な方、友達がいない方、

なんかには共感がもてるのかなぁとチラッと思ったりもしましたが、たぶん、そういった人がこの作品を読んだら、気分悪くなるだけじゃないかな?と思いました。

そして、私が最も強く感じたことは

これ、主人公が女性だからまだいいけど、この主人公が男性だったら

ただただ、キッショい!キモい、怖い、気持ち悪!しかねーな。と思いました。

著者もたぶん、それをわかってて、作中に2回

「あなたをみてると、イライラするのよ」って言葉を登場させたんだと思う。

私も、同じ気持ちでした。

この主人公とは、絶対友達になりたくないというか、ならないし、共感できるところはないです。

でも、こういう人、実際、いるんだろうなぁとも思います。

そして、ここまで、けっこうボロクソに批評してますが、この作品を読んで、気づいたことがありました。


それは、

それまで、私は自分のことは

承認欲求が強いと思ったり、

自己肯定感が低いと思ったり、

自分は普通の人とどこか変わってる部分があって、

まぁ、それがコンプレックスになってたり、して、、

だから、周りから好かれたい。

肯定されたい、認められたい

って思ってました。

もちろん、今も思ってるんだと思います。

でも、この作品を読んで

それよりももっとシンプルに、私は人から

本当の自分を知って愛されたいんだ。って思ってるんだってことに気がついたんです。

読書感想文からはずれますが、私は、このnoteもそうだし、もう一つのブログの存在を、誰にも言ってません。

家族にもだんなにもです。

だから、このnoteに書いてあることは私の、本当の姿、

まんまの自分なんです。

なぜ、誰にも言わないのか?

答えは簡単。

本当の自分を知って、ドン引きされたくないからです。

ということは、

私は、自分の本当の気持ちは、誰からも理解されないと思っているのです。

そして、この作品を読んで、

それでもいいんだ。って思いました。

誰にも理解されなくてもいい。

私は、私だけが知ってる自分がいてもいいんだって。

この作品を読んでそう思ったんです。

だから、私てきには、この本に出会えて良かったのかもしれません。(苦笑)

それでも、おすすめか?と聞かれれば、

電子書籍か図書館で借りて読んでみては?くらいのレベルです。


最後に

お前にこの作品の良さはわからない。

お前、頭悪いな。

何もわかってないな。

など、私の感想に対する反論はたくさんあるかと思われますが、

批評の批判は受け付けませんので、ご了承下さい。

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