読書感想文『東京タワー』　江國香織箸

あらすじ

大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。

一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に・・・。

夫もいる年上女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人達が繰り広げる長篇恋愛小説。

まず、あらすじにある

蠱惑的という言葉。。

読める人いました？

正解は

蠱惑的(こわくてき)と読むそうです。

人の心をひきつけてまどわすようなさまという意味らしいです。

うーん。こういうことって、読書好きにしかわからない世界だと思うんだよね。

前々から言ってるけど、こういうことするから読書離れが進むっつうの！

読書が好きでもない人がさぁ、たまには小説でも読んでみようかなってなってるのに、入り口で『蠱惑的』みたいな小難しい漢字と表現が出てきたらさ、一気に読む気失せると思うんだよね。

少なくとも私は、やめとこって思う。

この『東京タワー』は、たしか、岡田准一さんと黒木瞳さん主演で映画化にもなったと思うんだけど、私は映画は観てません。

まぁ、解説書かれてる、源　孝志さんという映画監督も、原作と似て非なる恋愛映画として世に出た。と書かれているので、別物なのかもしれないし、今回もあくまでこの小説の感想文です。

感想文というより、今回も『批評』ですね。

著者の江國さん本人があとがきで

19歳の少年たち(途中で20歳になりますが)の物語を書こうとしたときに、それは東京タワーの見守ってくれる場所の物語にしよう、と思いました。

そして

読みながら、あらまあ、と思っていただけたら嬉しいです。

と。。

申し訳ないが、

だったら、もう少し文章力がほしかった。

読んでて、ちっとも東京タワーが思い浮かばないし、それどころか、やたら雨ばかり降ってる。

東京の街。東京タワーが美しくないのだ。

映像では綺麗だと思うが。。

どちらかと言うと、東京タワーは私からすれば、こじつけに近い。

あってもなくてもどちらでもいい。

ただ、タイトルとして『東京タワー』がいいから、じゃあ、からませようとしてるだけ。

そういうのって、一歩間違えば、本人だけの自己満足だと私は思う。

それでも、面白い！納得感があるっていうならいいけど

最初から最後まで

あらまあ。どころか

なんだかなぁ。で終わった。

この物語は、透と耕二という主人公が2人いて、交互にストーリーが展開される。

二人は親友なので、二人がからむシーンもあるが、基本的には二人の恋愛が交互に展開される。

映画では、どうなってるのかわからないけど、

私てきに、透がキモくて引く。（苦笑）

たぶん、普通だったら悪役として扱われるであろう、詩史の夫の浅野が一番まともにみえる。

透と詩史については応援する気になどサラサラなれないし、

私からしたら、二人とも

どういうつもり？

って感じ。

詩史いわく

「一緒に暮らさなくても一緒に生きることができる」

らしいのだが、

これも私からしたら

綺麗事言ってんじゃねー！

と怒りすら覚える。

まぁ、二人でお花畑状態が最後まで続くので、やっぱり

なんだかなぁと思ってしまった。

それに比べれば、まだ耕二の方が、共感できるというかリアルっぽい。

良いか？と聞かれれば、こちらも

なんだかなぁだけどね。

だって、納得感がひとつもないから。

ただただ、共感する部分があるだけ。

耕二の気持ちも、耕二の彼女の由利ちゃんの気持ちも

夫のいる喜美子の気持ちも、吉田の気持ちも

うん。わかるなぁと思う部分がけっこうある。

が

だから、どうなんねん？

っという部分が全く描かれない。

ただただ、それでも日常は過ぎていくで終わる。

だからね、こういう自己満みたいな小説は、小説好き、または、空想大好きな人には支持されると思うけど、

私みたいに、滅多に読まない、ただのおばちゃんには、はっきり言って

つまらないの。

うん。ごめん。

これはこれでアリだと思うよ。

これがいいっていう人も、いっぱいいると思う。

つまらないという私がおかしいんだろうし、

理解できない私が頭悪いだけかもしれない。

けどね、

これを、芸術的だとか、素晴らしいと称賛するのもどうかと思うよ。

美しい小説。。

を書きたくて書いたのかもしれないし、

これが江國ワールドというものかもしれない。

けど、もうそういうの、

今の時代に合わないと思う。

おすすめかと聞かれたら

男性におすすめ。女性にはおすすめはしないかな。

しいて言うなら、私と同じ40代以降の女性ならおすすめするかも？

特に、喜美子には共感しかなかった。私はね（苦笑）

若い20代の子が、これを読んで

透と詩史の恋がステキ。なんて言われたらおばちゃん、反応に困っちゃうかも？^^;

おいおい。大丈夫か？と。。（苦笑）