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『転職ばっかりうまくなる』

ひらいめぐみさんの『転職ばっかりうまくなる』を読んだ。

何度本屋さんの平台でこの本を見たことか。やっと手に入ったときは嬉しかったな。自分の本だといつでも読めるからと、ついつい積読に回ってしまい、先日やっと読み終えた。

最初はバリバリのキャリアウーマンの話かと思っていたけど、いい意味で期待を裏切られた。
どちらかというと容量よくどこでもやっていけるタイプではない著者。私もそちら側の人間なので、とても共感できた。
転職活動での不安、入社した時の違和感、社員との関係性、ちょっとしたモヤモヤを感知して言葉で表現するのがとてもお上手。
時間さえあれば本屋に立ち寄っていたひらいさんが、書店員になったことで本屋を楽しめなくなったエピソードが印象的だった。好きなことを仕事にするもんじゃないとはよく聞くけど、実際に体験した人の言葉は重い。


何度も転職するうちに、自分の得意不得意、好き嫌い、体調の良し悪しがだんだん分かり、読み進めていくごとに、著者のそういった感性が研ぎ澄まされているのが感じ取れて面白い。友人の人生を見守っているようで、エールを送りたくなる。最終的にひらいさんの天職だ!と勝手ながら思った職に就かれていて、読み終わった後は清々しい気持ちになった。



優しい文体で綴られていて、いつ開いてもしんどくない、だけど自分の中にある大切な感情を思い出させてくれるそんな一冊。


インパクトのある書影


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