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あの日

なにも面白いことがない、
暇な日はいつもネット、
そんな時間があるなら、
資格の勉強でもすればいいのにどうせ私なんてと根底で思う、日本なんて新卒で何もかも決まって、アメリカみたいに逆転なんてできないんだなと思う、

こんな時代だから仕方ない、
なんとでもいえや、
早めに死にたいって思えてしまうね、
ああ、なんでだろう、私を否定するすべてに中指たてたり、嘲笑ったり、笑顔で、個人を寄ってたかって陰口たたくなんてとてもチームワークがいいですねって言ってやりたいわ、

前の仕事場からは、お前はどこに行ってもやっていけないと言われたりして、生きていても仕方ないと思い、
冷蔵庫のドアの取っ手にベルトを輪にしたやつをかけて、首をくくったことがある、

あれさ、死ねるよ、
一瞬苦しいけど、意識が遠くなっていく、
それで急に怖くなってすぐにやめた、
あ、これはやばいと思った、

中島らもさんが書いていた、
生きていてよかったと思える夜があると、そういう夜があるとごみくずみたいな日々でも生きていけると、まんざらでもなかった瞬間を額に入れて時々眺めたりしながら、そうやって生きていればよかったのにと、
この文章を読んだとき、まだ高校生だったのだが、年を取るにつれて、ゴミみたいな日々からキラキラ光る夜があることを知り、
今になって思えば、なるほどと納得できる、

ケーキ屋で働いていたこと、あいつのこと、あのキラキラと幸せな夜のことを思い出しながら泣いている、
こうやって泣けることはありがたい、
悲しくもないのに、泣ける、
あの夜、私は幸せだったからだ、幸せの中にいたから泣けるのだ、しかしながら、静かに涙を流していて、何も知らない他人がずけずけと日々を侵食していく、それが許せない私、その侵食をすぐに埋めれるような幸せがほしいと嘆く、あの幸せはわたあめみたいにどこかへ飛んで行ったのか、いや、違う、いつもそこにあるのだ、

三浦春馬さんが自殺した、
彼はそんな夜がなかったのだろうか、
誰も彼のことを悪口を言ってなかったのだろう、人間的にもできた人だったのかもしれない、
しかし、それがあだになったのだと思う、そりゃ、ずっと若いときから第一線で俳優をしていれば疲れる、ちゃんと相談しても彼を売り出したい人、消費したい人が多いから、彼はそのたびに自分自身を消耗した、もっとわがままに生きればよかったのに、彼は死んでから何を考えているのだろうか、何が彼を追い詰めたのだろうか、多分、それは彼を消耗した者達だ、追い詰められて身動きがとれなくなったときには笑うしかできなかったんだ、ピエロみたいに、それが無難だから、それが彼の仮面だったのだろう、そう思うと切ない、

あんなにイケメンで才能があるのに、なんで人に助けを求められなかったのか、
人に弱いところを見せたくなかったのかな、相談しても無駄だと思ったのかな、
そんな彼に、キラキラした夜が、幸せだと思って泣いた夜があったら、少しは変わってたかもしれない、
思いを吐き出すところがあればよかったのかもしれない、

多分、彼は自殺したことを後悔しているかもしれない、
苦しんでいるのかもしれない、
そんな勇気があるなら、
もっと生きてもよかったんじゃないか、

生きることは辛い、
もうね、嫌になるよ、
だけどね、身近な人の自殺を見ているから、遺された人がどんな気持ちになって、何をしないといけないか分かるから自殺はしないよ、
どんなにみすぼらしくても、情けなくても、自殺はしないよ、

これが誰かに届くと信じて

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