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春の到来、キリストの復活祭

イースターという言葉を聞いたことはありますか?
イギリスでは、クリスマスの次に大きな行事/祝日が「イースター」です。キリスト教が伝わる前のブリテン島には、ケルト人やアングロ・サクソン人独自の文化があって、イースターは春の到来をお祝いする期間でした。それからキリスト教が伝来し、イエス・キリストの復活祭としてお祝いされるようになりました。

白で書かれているのが今でもよく知られている祭日です。

復活祭までにもいろいろな祭日があるので、まずはイースター関係の最初のお祝いシュローブチューズデイをご紹介します。

薄いパンケーキにフィリングをのせていただきます。

シュローブ・チューズデー

またの名をパンケーキデーと呼ばれる日。
イースターの前にある断食期間(レント)に食べられない物を使い切るために卵や牛乳を使ってパンケーキを作って食べます。イギリスのパンケーキは、フランスのクレープのように薄い生地で中に砂糖とレモン汁を振りかけて食べるのが一般的。お皿の上でくるくる巻いて、ナイフとフォークでいただきます。甘酸っぱい、さっぱりとしたパンケーキです。

パンケーキレース

イギリス各地には不思議なイベントがたくさんありますが、その中の一つがパンケーキデーにちなんでバッキンガムシャーのオル二ー村で開かれるパンケーキレースです。村の広場から教会まで、村に住むエプロン姿の女性たちがフライパンにパンケーキをのせて走る催しです。

オル二ー村は、ロンドンから北へ、ミルトン・キーンズという中都市からすぐ。ベドフォード公爵夫人が貴婦人たちとの午後のお茶を愉しみ始めたといわれる、アフターヌーンティー発祥の館「ウォーバン・アビー」も比較的近くにあります。

教会の近くにあるティールーム「TEAPOTS」

  行ってみたら思ったよりも大きな広場で、目抜き通りには商店街もありました。パンケーキレースの道順をたどりながら、広場からとんがり屋根の教会まで歩いてみると5分ぐらい。途中に可愛らしい店構えのティールーム「TEAPOTS」を見つけたので、そちらに立ち寄ってパンケーキを食べてきました。さすがオル二ー村。メニューには、たくさんのパンケーキが並んでいます。私は、チェリーとアイスクリームにしてみました。果物の酸味とアイスクリームの濃厚さがよく合います。

オルニー村で開催されるパンケーキレース

パンケーキレースの歴史

はじまりは1445年と伝えられていて歴史が古いレースです。当時のスタート地点は不明なのですが、ゴールは今と同じ教会だったそう。レースの由来は、はっきりとはわかっていませんが、一説には村に住む女性がシュローブ・チューズデーの大事なミサに遅れそうになって、慌ててエプロンをしたままフライパンをもって教会へ走っていった。という言い伝えもあるそうです。このレースは、何世紀もの間受け継がれていましたが、第二次世界大戦の間は中止になっていました。再開のきっかけは、1948年に教会の牧師が1920年から1930年代のパンケーキレースの写真を見つけたことから。ボランティアを募って、レースを再開したそうです。1950年からは、アメリカのカンザス市、リベラルの町と「国際パンケーキレース」を共同で催しています。

2022年のパンケーキデーは、3月1日。
朝食にパンケーキの家も多いのではないでしょうか?


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