北へ...... 7

さて、どうしたものだろう。

一人になると、冷静に考えていける。
もしもこのまま北へ行って、その先は一体何があるのだろうか。
目的が達成したら、はい終わり。で元の生活なのだろうか?

いいや。きっと違うだろう。
終わったからと言って、俺の人生はこのまま悪い方向にしか進まない気がする。
だって、解決する気がしないじゃん。

一から言えば、なんで捕まっていたのかも分からない。
彼女の、優奈の目的は?
何も知らないんだ。
知らないままで、ここまで来たんだ。
その結果、自分がどうなるか。なんて考えて無かった。

もしかしたら、このまま目的を達成しても死ぬ。
しなくても死ぬ。

どっちにしても死ぬ。

あれ?詰んでないか?俺の人生。

「はぁ、どうすんだよ。オレ」
「どうするって、何が?」

考えにふけっていたせいで、お風呂から上がった優奈に気づかなかった。
どこまで口走った?

「えっと、なんか言ったか?オレ」
「ため息ついてたからさ。何か考えてた?」
「まぁ、色々とね」
「ふーん」

優奈の顔を覗く。
表情からは何も感じ取れない。

「怒ってる?」
「別に、ほら入ったら」
「......そうする」

俺はいそいそとお風呂に向かった。

「ん?」

今更ながら気づいた。
優奈のバスローブ姿を。


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