北へ...... 5

どうしたものか。

あれから一週間が経った。
事件になった感じはしないが、替わりに緊迫感が薄れていった。

良いことか悪いことか。といえば悪い。
なぜかと言うと、緊張感が薄れた結果。逃走中だという意識が薄れていった。

むしろ、逃げなくても良いんじゃないのだろうか。
なぜ逃げてるんだろうか。

そんな気持ちが緊張感を消していく。

この緊張感がなくなった時、きっと大きなトラブルになるはずだ。

「ねぇ」

優奈は携帯を見ながら声を掛ける。

「ん?どうしたんだ?」
「私さぁ......」
「うん」

そして、優奈はとんでもない事を言った。

「あそこのホテルに泊まりたいんだけど」

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