北へ...... 15

海岸沿いの防波堤の近く。
外は真っ暗で小さな明かりがポツポツ見えた。

「ほら、着いたぞ」

横で眠る優奈を揺さぶり起こす。

「うん」

返事をしたが動く気配はない。

「出ないのか?」
「外暗いし」

そう言い、毛布の中に逃げ込んだ。
しょうがない。と座席を倒し、俺も寝ることにした。

これで終わる。
何もかもが終わる。

きっと......

終わったとしたら、次はなんだ?
何が始まるのだろう。
今終わるのは旅だ。
だが、目的は?まだ終わってないハズだ。
そうだ。何も終わってないんだ。

ここにきた意味も、ここまで来た意味も、こうなった意味も。
何も終わってないんだ。
何終わった気でいるんだ?

これからだ。
これからが大変なんだ。

なんて、不安を煽りながら俺は目を閉じた。
不思議とすんなり眠ってしまった。

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