〈ネタバレ含む〉最近読んだ漫画の感想。9/8分。
▶【ワンダンス】
現在5巻まで出ている作品です。
主人公の花木くん（通称カボ）はけっこう辛い吃音症で、
せっかく映える容姿を恵まれているのに、なんとなくパッとできない残念な高校生。
そんな彼が、一人でも周りを気にせず踊る華奢なアイドル系金髪美少女、湾田光莉ちゃん（通称ワンダ）と出会い、
ダンスの世界に足を踏み入れていくお話です。
正直言うと、カボくんのキャラだとちょっと読者的に物語に食いつけない地味さがあるんだけど、
周りのキャラがなかなかギラついててオイシイというのと、
実際にエド・シーランのshape of youとかビリーアイリッシュのbad guyとかノリノリの曲が作中に使用されている、ってところで
読みながら実際に聴くってことをしてみると、
作者さんが描いてるテンションが伝わって楽しいと思います。
一応、作中で使われてる曲を貼ってみますね～
正直、今まで生きてきてダンスって何してんのかよくわかってなかったけど、
これを読んで、ダンスは「音を表現してる」ってことを理解しました。
作者さんはかなり詳しいので、経験者なのかなぁ。
ダンス好きなんだろーなぁ～～
この音楽とダンスのノリを絵で伝えるってめちゃめちゃ難しいと思うんだけど、
かなり頑張って描写してくれてると思います。
かなり攻めた抽象表現をしてます。
でも、やったことのない身にはやっぱり、頭の中で動画にするのが難しい･･･！
ハウスの得意な先輩の伊折くん、他校のファンキーな宇千くんあたりが、
雰囲気があって好きです。
人物たちの会話のテンションも、かなり感覚的な口語感があって
「作り物っぽさから抜け出したものを届けたい」っていう気持ちを感じる。
外から見えないところの心理や踊る本人の感覚、
見ている人たちに伝わるダンスの空気感とパッションを描写する、
っていう難題に
果敢に挑んでる作者さんの熱を感じます。
そんな創作意欲の塊のような作品です。
▶【節約ロック】
こちらは、過去に映像化してるみたいですね。
これ、今思ったけど･･･
このカバーイラスト、ニルヴァーナを意識してるじゃん･･･！ｗ
ロック！！
バンドマンに憧れてロックでゴージャスな生活をしていたタカオは、
そのあまりにも将来のこと考えてなさすぎな生活ぶりと
貯金のなさ故に
彼女であったマキコに振られてしまう、というところから話が始まります。
中途入場の読者のためなのか、毎度冒頭にあらすじコマが入ります。
「節約なんかロックじゃない！！」と最初は抵抗していたタカオも、
他の人が研究している節約術や
もっとヤバい節約家たちの努力と工夫を目の当たりにするうちに
「無駄遣いと無知はロックじゃない･･･節約こそロックだ！！」
というところで納得して、自分の行動を振り返り始めます。
読んでいてなるほど、と思う部分もあれば、
30歳独身男性のタカオとは優先度的に共感できない部分もあり、
癖の強い登場人物たちに情緒を寄り添わせることはなかなか厳しかったですが、
これだけは学びました。
「何かを選ぶとき、“お金の方を守る”という選択を採るべし」
タカオ独特のロックを見せつけるコマは大抵寒いですが、
油断していると時々不意打ちで笑わせてくるので要注意です。
▶【自転車屋さんの高橋くん】
方言ヤンキー×年下（高橋くん）と、おぼこOL×年上（パン子）の、
天然記念物みたいな純情恋愛作品です。
作者さん、noteやってるみたいですけど･･･ほんとかな？
3巻まで読みましたが、これはハマる人にはハマります。
久々に胸に届いてくる作品でした。
上手いとは言えないけど引き込まれる線の雰囲気と、
誰の心の中にもあるような
消化されてない初心な恋の記憶みたいなところを
素朴に紡いでくれているようなかんじ。
ホストみたいな、営業のコミュ力が出来上がってる系男子にはない
高橋くんの、圧倒的に純朴で不器用な愛に触れて、
30歳のパン子が少しずつ女になっていくような、
とってもかわいいお話です。
まあ、見る人によっては高橋くんやパン子の幼さについて
「アダルトチルドレンっぽ～い」とか
「経験少ない人のオトナの青春っすか～？」とか
そういう失礼なことを思ったりしそうなんだけどね（失礼すぎ）、
ちょっと子供の恋愛っぽく感じたとしても、
高橋くんの男の子っぽさは、ちょっと他の少女漫画にはないものと認識いたしました。
頑張って押し倒したり台詞みたいな台詞吐いたりして
恋がしたくてしてるような小賢しさはまったく無くて、
普通の会話とかやりとりもなんだかほっこりしてて、
「好きになっちゃうって、恋のコミュニケーションって、たぶんこれだわ」
と感じさせてくれる、自然な“マジ恋”っぽい満足感があります。
高橋くん、どこの方言なんだろ？鹿児島？（無知）
さて、今回はこの辺で～～。
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