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夫婦の形
「契約書を書きます。」と旦那から言われた。
よく理解が及ばず、この人のプロポーズにOKしてよかったのだろうかと自分を疑った。
「離婚するときに揉めないように、あらかじめ契約書を書いておきます。」
え?離婚?何言ってんの?契約?
なにかと敬語が混じる口調から、この先うまくやっていけるのだろうか、と不安が募ったこともたしか。2人の取り決めや、財産などハッキリ書かれた手書きの契約書。デコボコ感が否めない。
結婚に愛を求めていた私は、
契約書なんてものを書かなくとも、二人で話し合って乗り越えていけばいいじゃん!と、形に残しておくことにロマンを感じなかった。
結婚というものに夢を見ていると、時に現実に引き戻された時に、ショックを受けるものだけど、
彼ははじめから現実を見ていたようだ。
理解に及ぶのに数日かかったが、不思議なもので、“そういう人柄”の人と一緒に暮らしていると、“そういう考え”が受け入れられるようにもなってくる。
そこには、“お互いの人生に嫌な思いをしたくない”という彼なりの最大のリスク回避があったことに気づく。
彼の伝え方や言い方には、物申したいことがあるけれど、言いたいことが理解できるようになってきた。
そんなこんなで、家事だって。
週一回には、家政婦さん的な、家のお掃除をしてくれたり、料理の作り置きをしてくれる、そんなサービスを発見したりして。
生活を楽にしようと提案をしてくる。
毎度びっくりするし、事実を飲み込むのに時間のかかる私だが、話を最後まで聞くと納得できることがたくさんある。
「恋愛と結婚は違うものだ」という言葉をよく聞いた。
恋愛は、相手のすべてが見えないから。結婚は相手の嫌なところとか全部見えるから。とか。
関係性が変わることを意味してたのかなって思っていた。
でも、私は旦那と恋愛をしていたかというと、そうでもない気がする。最初から、現実的な彼と付き合っていたし、付き合った時から結婚の前段階といったような関係性だった。
恋愛的に結婚したいと思う相手だって正直いるし、タイミングなんだな、と思っている。
結果的に自分が自分らしくいられるために、2人で生活を作っているし、それが私たちの形なのだと最近は思えるようになった。
これからも2人の奮闘は続きそうだけど。
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