見出し画像

【取材記事】先生を辞めて世界一周へ。夢を忘れないために選んだ学び場

TABIPPOが運営する、「旅と人生をつなぐ、大人の学び」がコンセプトのオンラインスクール「POOLO LIFE」。8ヶ月かけて自分の人生に向き合い、グループワークや仲間との対話を通じて、心はどう生きたがっているのかを探していく。

住んでいる場所も、年齢も、職業も異なる受講生の唯一の共通点は、旅が好きだということ。旅とスクールがかけ合わさった場所は、どのような効果を生み出しているのだろうか。

今回はPOOLO LIFE 6期の卒業生である、ゆりさんに話を伺った。6年間小学校の先生として働いていた彼女は、学生時代から教育や文化の違いに興味があり、世界一周への憧れがあった。

夢を確実に進めるために、2023年8月からPOOLO LIFE 6期生になり、「周りに公言することで行動せざるを得ない状況に身を置く作戦」を決行。2024年の5月からついに、世界一周の旅を始めている。

インタビューを開始してすぐに、「あ、生徒に寄り添ってくれる先生だ」と感じた。ついもっと話したくなる優しい口調と、不安を吹き飛ばしてくれる雰囲気が漂っていた。なにが今の彼女を作ったのか?夢を叶えるためにしたこととは?POOLOが与えた影響とは?逞しく生きる彼女の人生を、垣間見てみよう。


子どもみたいに生きたくて、学校の先生になった。


「わたしは6年間小学校で先生をして、今年の5月から世界一周をしています。よく明るい人と言われますが、子どものころは、自分の意見をうまく言えなくて、多数派の意見に乗っかる生き方をしていました。高校生になっても変わることはなく、楽だけど辛さも感じていたある日の放課後、怒ったり泣きながら下校する子どもたちの姿をみて、喜怒哀楽をありのまま表現する姿に憧れるようになったんです。そこから子どもに関わりたいと思い、先生を目指しました。」

先生になるために始まった大学生活は、旅にハマる人生の始まりでもあった。ゆりさんは大学1年生の春休みに、ニュージーランドに短期留学。ホームステイをしながら、語学学校で友人を作り、保育園でのボランティアで異国の教育を生で感じた。

全く知らない街を少しずつ開拓することに喜びを覚え、気がつけば行きたい国は数えきれないほどになっていた。

大学時代カンボジアにで

(もっといろんな国の文化や教育現場を見たい。)

しかし、漠然と抱いていた気持ちは、先生になると学校と自宅を往復する慌ただしい日常にかき消されそうになる。

「学生時代から年に2回は海外旅行に行くと決めて、いつかは長期で旅に出たいとずっと思っていました。でも先生になってからは、理由がわからないまま泣いたり怒ったりする子たちと向き合うことに必死で、旅をしたいという願望を何度も忘れそうになりました。」

生徒からもらった手紙や花束

「仕事は刺激的でやりがいがあったものの、社会人3年目くらいから(このままずっと教員をするのか?)とモヤモヤも感じていて、自問自答する日々が続きました。そしてやっぱり旅がしたいと思い、TABIPPOが運営する世界一周ゼミに通いました。」

世界一周ゼミは全5回、50日間のプログラムです。みなさんと一緒に色んなかたちの「世界一周」について考え、世界一周の準備を確認し、旅に出る前の不安を整理し、旅の面白さ、旅とキャリアについて考えていきます。ざっくり言えば「旅について・人生について真剣に楽しく考える場」です。

TABIPPO公式サイトより

漠然と抱いていた夢が、ゼミ活動を通じて具体的になっていった。また、ゼミ仲間のおかげで、旅をしながら働く人、夫婦や子育てをしながら旅をする人などの存在を知り、世界一周の多様性を感じるきっかけを作った。

世界一周ゼミにて

世界一周ゼミで、自分が求める旅の仕方を知ることができた。にも関わらず、POOLO LIFEにも通ったのはなぜなのだろうか。

先生だけど、旅がしたい。世界一周を決意し、仲間と自分を奮い立たせたくてPOOLOに入った。


「ゼミは、仕事に追われて夢を忘れそうなわたしに、自分がどんな旅をしたいのか考える時間をくれて、モチベーションを高めてくれました。しかし、ゼミ活動が終わると、学校と家を往復するだけの生活で、忙しさを理由に諦めそうになる自分がまたやってきたんです。私生活・仕事以外で、自分だけに使える時間と、夢を好きに話せるコミュニティが必要だと感じ、POOLO  LIFEに入りました。」

POOLO LIFEは8ヶ月かけて学ぶ場で、2−3ヶ月ごとに異なるメンバーでチーム活動が行われる。自己理解を深める第1ターム、仲間と旅や世界について考える第2・第3ターム、そして自分と世界を豊かにするためにライフデザインを定める第4タームだ。

POOLO LIFE HPより

講義内で、自己理解のために「ストレングスファインダー」を受けたとき、彼女の強みはこう解析された。【多様性を認める力と、どう転んでも楽しめる力】納得する一方で、多くの質問は「ゆり」としてではなく、「先生」として答えてた一面が強いのではないかという疑問が生まれた。

「POOLOの講義は魅力的なものばかりでした。今までの人生を紐解いてみんなにシェアしたり、モチベーションを高める講義が数多くありました。POOLOは自分や人との対話を大切にしていて、わたしは初期の段階から『春から世界一周に行く』と公言していました。そうすることでより一層、具体的に夢が動くと思ったんです。」

「また、参加者の多様な生き方は、これからの働き方に選択肢を与えてくれました。パラレルティーチャーという、非常勤講師や他の仕事を掛け合わせた働き方を調べるようになり、どんな形で教育に関わりたいのかを考え始めるようになったんです。」

数ヶ月かけて、オンライン講義だけでなく、メンバーが自主開催するオフラインイベントにも参加して、一緒に楽しめる仲間ができた。そんな中、(みんなで楽しめる関係性を築けたけど、どこか満足できない。もっと深い話をしたい)という声も聞こえてきた。次のステップの関係を求め、チームメンバーとスナックをイメージしたオフラインイベントを開催した。

スナックともしび

「3ターム目では、わたしとチームメンバー2人とでスナックを開きました。参加者に事前に話したいテーマを考えてきてもらい、それに沿って、お客さん(数人の参加者)と共に語る。というイベントです。期間中に5回、卒業して世界一周に旅立った後も日本にいるメンバーが続けて、もうすぐ8回目を迎えようとしています。」

このコミュニティの魅力は、世代も仕事も違う人たちが交われること。バンジージャンプがしたい。徒歩で山手線一周したい。やりたいけど、周りの友だちは興味がない。ひとりは寂しい。どんな挑戦も誰かが拾い上げてくれて、一緒にしたいと言ってくれる人が見つかるだろう。

「先生らしく」から「わたしらしく」を求めれるようになった。


世界一周に向けて進み続けるために、刺激を求めて参加したPOOLO  LIFE。自分と、仲間と向き合い行動した先には、「素敵。やりなよ」と背中を押してもらえる環境と、キャリアも人生も多様な選択肢を得ることができた。

いざ旅に出てからは、「視点を持って歩く」ことを意識している。現地のプログラムや知り合った人のツテで教育現場を見たり、なぜその習慣が生まれたのか、この文化に触れて育つ子どもたちはどんな人に育つのかを考えたり。

現在は、8月にフィンランドで現地の子どもに授業をするプログラムに参加するため、東ヨーロッパを旅している。その後アフリカや南米を周る彼女が描く未来とは、何なのだろうか?

世界一周中のゆりさん

「まずは1年半ほど世界一周予定です。帰国後は、もう一度フルタイムで先生をするのか、いくつかの仕事を掛け合わせるのか、形はまだ見えていません。一つだけわかっているのは、いまも、旅が終わってからも、教育に関わりたいということです。実はずっと、キャリア形成のためにロールモデルを探さないと!という気持ちがあったんです。しかし、焦るそんな気持ちは旅で薄れ、教育ボランティア、宿や道中に知り合った人から刺激をもらい、自分はどう生きたいのか考える機会が増えました。」

「たくさんの国や人の魅力を知って、いいなと思ったことを少しずつ真似することで、自分だけの材料が溜まって、オンリーワンな存在になれるのではないかと、今は考えています。」

「また、ずっと(小学校の先生だからこうあるべき)という自分への制限がありましたが、今は自分がやりたいことを自分に与えさせてあげるチャレンジをしています。この期間を通じて、ありのままの自分100%でいいんだよ。って心から言えるようになりたいです。続けた先に何かが生まれるはず。これからどんな自分になるのかが、すごく楽しみです。」

新しい世界や自分に気がつけた喜びを知った経験が、もっと自分らしい自分になりたいと願い、動き続ける原動力になってるのではないだろうか。今日もゆりさんは、世界のどこかで刺激を求めて歩み続けているのだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?