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なぜ走り続けるのか。 夏

友達ができたことで寂しさを乗り越え、自由な毎日を手にしかけていた。

そんな日が来るとは思わず、、、



夏休みが来た。

一人暮らしにも慣れ、少し浮かれぎみで故郷である岡山へ帰省した。

岡山では高校時代まで過ごしていたので友達もいた。

数ヶ月だが何年間か会っていなかったように思い、早速友達と夜中会う約束に。

まだ18歳で車の免許も取って間もなく、しかもペーパードライバー。

そんなことお構いないし。

私は親の軽自動車で夜道を走る。

しかも小雨で視界が悪い。

もうすぐで待ち合わせ場所だ。

慣れた細い道。

赤点滅の信号。



ピカッッ!!!


一瞬の出来事。

世界が横向きになっていた。

左側から車が来て、衝突後、横転していた。

私は救急車で運ばれ、乗っていた車は廃車になり、友達にも会えず。

死んでもおかしくない事故だった。

衝突した相手の車と人は元気。

日頃浮かれてシートベルトもしていなかった私が、事故当日はしっかりしていたお陰もあり軽症だった。

今でもなぜあの時シートベルトをしようと思ったのかわからない。




事故数日後の出来事。

軽症で済んだ事故だったが、病院には通わなければいけない。

待ち時間も多く、Kくん(専門学校の友達)は何してるかなと不意に思い電話してみた。


プルゥゥゥ プルゥゥゥ


私『もしもし〜』

?『もしもし ○○(私の名前)』

私『えっ?誰?』

?『Sなんだけどさ』


Sは専門の友達。


私『なんでKくんのケータイにSが出るんだよ〜』

S『それが、、、』


何か様子がおかしかった。


S『バイト仲間で川に遊びにきてて、そこにKくんも誘って一緒に遊んでたん  だ』

私『それで?』

S『Kくんと川の端まで泳いで戻ってこようってなって、、、』

S『途中からKくんがいなくなって、、、』

私『は?意味わからん。』

S『今救急車とか来て探してもらってる』


Sは涙ながら必死に言葉にして私に伝えてくれた。

私は頭で整理できず、いや整理したくないかのように思考停止していた。



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