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私とネットとSNS(1)


今年の元旦、寒さに震えながら、郵便ポストを見に行くとそこには年賀状が届いていた。

部屋に戻り、淹れたてのコーヒーを飲みながら、届いた年賀状をじっくり読む。私にとって、お正月の密かな楽しみの一つだ。しかし、この10年で届く数もめっきり減った。意外と書くのも、印刷するもの面倒な年賀状。それよりも今はLINEなどで年始の挨拶する方が手軽、というのが大きな理由だろう。

そういえば、近年LINEだけでなく、SNSで年始の挨拶をするようになった。自作のお節料理やお雑煮などを撮影し、「あけましておめでとうございます」という挨拶に今年の抱負も付け加えて…みたいな。
昔は年賀状が届く人・親戚や知り合いだけに発していた年始の挨拶。今はもはや不特定多数の方が見られる中でするようになった。それぐらい、SNSはこの10年の間に私の生活と密に関わるようになっていた。

この「不特定多数の方々」との関わりについて、ふとまとめたくなったので今回はそれについて書いてみることにしよう。

全ての始まりはチャット部屋

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インターネットが爆発的に普及した1995~6年頃、私の実家にインターネット回線が開通した。噂になっていたとうとうインターネットの世界へと足を踏み入れることになったのだ。同時に、私はとあるサイトの掲示板やチャット部屋に興味を示すことになる。

 私が出没するのは平日の夜中と休日の昼間。顔の見えない得体も知らない誰かと、チャット部屋で「こんにちわ。初めまして。」と挨拶を交わし、会話をスタートさせる。家族にばれないように、夜中にパソコンを立ち上げ、暗い部屋の中でコソコソ会話に勤しんだ。ここが私のSNSの始まりだったように思う。

(ちなみに当時はダイアルアップ回線でネットを利用していた。利用分の電話料金がかかるため、後日電話料金の請求書を見た母にこっぴどく叱られたのも今では良い思い出である。)

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自分を語るためのblog

高校生になると、私は友達の影響を受けて、日々の日常をblogに綴るようになる。(当時の流行「魔法のiランド」ではなく、普通のblogサイトだ)

高校時代は何かとしんどい時期が多く、自分の気持ちを吐き出す場所が欲しかった私は、クラスでの出来事、恋愛話、将来への不安など、ほぼ毎日blogを書いていた。なぜblogにしたのか。それは、ノートに書くことよりも、キーボードを打つ方が捗ったから。また私がblogをやっていることを一部の友人しかしらないからこそ、書けることも沢山あった。

blogはこの後、何回も名前や場所を変えて、運用していくようになる。

なお、1番最初に利用していたblogサイトには日々の出来事だけでなく、自作の歌詞も投稿していた。当時バンド活動をしていたこともあり、私は歌詞を書く事に凝っていた。
今思えば、あんな内容を不特定多数の人に見せびらかしていた事自体恥ずかしい。数年後、気になって見に行くとサイトもろとも閉鎖していた。感傷に浸る間もなく、あっさり消える儚さもネットの良さだと感じた。

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黄金のmixi時代

こつこつblogを書いていた私も、大学生になると毎日忙しくなり、blogを書く暇もなくなってしまった。毎日更新していたのが週に2.3回、下手すりゃ月1回…。生活が変わるとこうも書かなくなるものなのか、と思っていた矢先に出会ったのが会員制サイト「mixi」だった。

mixiという名前は知っていたものの、紹介された人しか入れないと知っていた。だからこそ、友人から誘われた時は本当に嬉しかった。「あのmixiに!やっと入れる!」という感じだ。(今のclubhouse現象とよく似ている。)

mixi入会を境に、一時的に不特定多数への情報発信は無くなった。なぜならここに来る人は全て自分の知り合いばかりだから。その安心感からか、とにかく内輪話で盛り上がる日々が続いた。毎日日記を綴るのも、誰が閲覧しているかが分かる足跡機能があったから。この機能も個人的に画期的なツールだった。
もちろんmixiでも様々なテーマで掲示板が作られていて、不特定多数と接する場所は確保されていた。しかし当時の私は「自分の日記を確実に見てくれている、コメントをしてくれる」ということに幸せを感じていたため、その世界に踏み入れることは無くなった。不思議なもんだ。

ところが、知り合いばかりだからこそ、時々窮屈に感じる場面も出てくる。見られたくないかなりブラックな内容を吐き出したくなるときは、昔毎日書いていたblogに逃げ込み、そこに書き殴るという使い分けをしていた。いつの間にか過去のblogは、私にとっての「心の避難所」になっていた。今のSNSでいえば、用途ごとにアカウントを持っているような感覚を、この当時から持っていたらしい。

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…かなり長くなりそうな気がするので、一旦このあたりで終わろう。


次回予告:副社長の一言から始めたTwitter/いいねと闘うInstagram

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