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大同電鍋でとうもろこしを蒸す

蒸すというシンプルな調理法が、
日常に馴染んできたのは、
大同電鍋を買ってからだろう。
たらいのような大きな内鍋に、
躊躇なく大きなものを入れて蒸すことができる。

外鍋にカップ1杯の水を入れて、
内鍋にとうもろこしを入れる。
そしてスイッチをポン。
縁遠くなっていたとうもろこしも、
大同電鍋の手軽さに惹かれて
夏には気軽に蒸すようになった。

子どもの頃、祖母は畑で、
とうもろこしとスイカを育てていた。
だから夏休みのおやつは、
いつもとうもろこしとスイカだった。
もう、毎日のように出会うので、
夏休みのドリルととうもろこしとスイカは
私の中の記憶で繋がっている。
スイカは青臭くて苦手だったけど、
それでもとうもろこしは、
飽きても割と好きだった。

とうもろこしを見ると、
そんなとりとめのないことを思い出す。
記憶に残る食べ物ってそんなにないから、
これはやっぱり大切な思い出なのかもしれない。

そして、大同電鍋を眺めながら、
やっぱり祖母のことを思い出した。
よく祖母から台湾の話を聞いた。
祖母は10歳の頃台湾に住んでいたのだけれども、
懐かしんでは、台湾の話をよくしていた。
祖母にとってとても大切な思い出だ。
その頃は、台湾にもまだ大同電鍋はまだなかっただろう。

大同電鍋ととうもろこしを眺めながら、
祖母と台湾と私のことを考えていた。
いつか、台湾の話を書いてみたい。
唐突にそう思っている。



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