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14 一天にわかにかき曇り・・・スコール到来

その天気の変わり身の早さに あるいはその変貌ぶりにたじろぐばかり

台湾の夏は半端なく暑くて天気もころころとよく変わります。
人も車も動き出す朝 晴れやかな青空を仰ぎ見たとしても昼頃から曇り空になりそして夕立に見舞われることは日常茶飯事。

スコールのあったあの日のことは忘れられません。
昼頃からまさに文字通り一天にわかにかき曇り 街全体が黒くて分厚い雲に覆われ始めて 三時頃には昼間とは思えない程あたりは真っ暗になってしまったのです。
そして突然 あたかも天空の天の川が決壊してその全てがこの台北の街に注ぎ込まれたのではないかと思われる程の凄まじい光景。
 これがうわさのスコールか!
抱え込んでいた憤怒の全てを一気に台北の地面にたたきつけるかのような狼藉ぶり。
 アパートから見える全てのビルというビルの屋上からは壁伝いに雨が滝のように流れ落ち 道路はあっと言う間に冠水。排水溝のあちこちで行き場を失った水が吹き上がり 人も車も全く動けない。
時の過ぎるのも忘れて ただ呆然と荒ぶる雨の猛威を見つめていました。目をそらすこともできずに怯えながら見つめていたんです。
 それでも雨という物はいつか上がるものらしいです。
雨音が和らぎあたりが明るくなり そして空はいつの間にか何事も無かったかのような静けさを取り戻していました。

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