15　夏と言ったらやっぱり水遊び！

何となく心ざわめく夏休み初日

　今日も暑くなりそう。セミがもう元気いっぱいに鳴いています。涼しいうちに子供達三人はイクラとガーコと散歩をすることにしました。
　イクラは黒と茶色の毛並みが複雑に混ざったメスの甲斐犬です。身体はそんなに大きくありませんが勇敢で少しも水を怖がりません。田んぼの脇を流れる用水路の中をバシャバシャと音を立てながら軽快に走り抜けます。ガーコはもともと水浴びが好きですからこの二匹がお気に入りの水辺に入るとなかなか帰ろうとはしません。そこの一角は葦やセリが繁茂していて子供達にとってもちょっとしたいい遊び場なのです。
　みんな一緒に思い切り水遊びをしました。
昆虫たちもたくさんいます。そしてそれを目当てにヨシキリも飛来して賑やかです。水遊びにも飽きた頃には日も高くなってきました。みんな水から上がると、うだるような暑さになる前に帰ることにしました。
　ワイワイ　ガヤガヤ言いながら家に帰ると玄関にお客さんが来ていました。アキ子さんの友達で隣町に住んでいます。その人は何か生き物らしき物が入ったケージを持っていました。イクラには匂いと声で中身がわかります。子犬です。思わずバウと声を出してしまいました。ガーコも何だか落ち着かない様子です。お客さんにあいさつを済ませた子供達はイクラとガーコを裏口の方に連れていき、きれいな飲み水をたっぷり用意してから　急いで玄関に戻ってみました。ケージの中身が気になっていたからです。