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J-03 不意に開くのが不思議のトビラ!

えっ 何?だれ?

『ギャーッ!』
お兄ちゃんは髪を逆立てて思わず大声を上げて尻もちをついてしまいました。その転んだままのお兄ちゃんと同じくらいの背丈の 大きなカタツムリがアジサイの木の陰からヌーッと顔を出したのです。
黄色い身体に緑のような青色のような殻を持っています。
 そのカタツムリが言いました。
『私に助けを求めたのは誰?私は看護師さんです。大きな声を出して泣いていたのは誰?ケガをして泣いている子がいるのかと心配してやってきたの。泣いていたのはあなたなの?』
カタツムリにそう聞かれたお兄ちゃんは慌てて首を左右に大きく振りました。
 よく見るとそのカタツムリは確かに看護師さんのような白衣を身にまとっています。
ナーチャンの心臓は今にも破裂しそうなくらいドキンドキンと大きな音を立てていました。でも勇気を出してカタツムリの看護師さんに近づきコンコンを見せながら言ったのです。
『コンコンのおメメが取れちゃって どこかに行っちゃったの。』

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