言葉を抱えること。
「Boys be ambitious.」
この言葉をご存知でしょうか。
「少年よ、大志を抱け」
こっちの方が恐らくメジャーだと思うのですが、まぁ原文は英語ですので。そちらで話を進めさせてください。
正直私に座右の銘なんて大層なものはなくて、この言葉に人生を変えてもらいました、みたいなものもありません。
探して見つけろや、って話なのかもしれませんが、座右の銘とかって探すものではないと思うので、人生に任せます。笑
それでもまぁ、何か大切にしたい言葉、くらいはあっても損じゃないかなと思っていまして。
何かあるかなーと考えてみて浮かんだのが、この言葉です。
基本私は「やる気」で生きてきた人間で、部活も勉強も何事もやる気で済ませるという強行突破脳筋野郎です。現在進行形で。
時にはそれが悪く働いてしまうこともあるかもしれませんが、今のところ、救われた経験だけで収まっています。
そんな猪突猛進人間が最近見つけた叶えたいことについて、お話したいと思います。
皆さま、ドラマ「silent」はご存知でしょうか。
2022年に社会現象になったドラマです。
主演の青羽紬役は川口春奈さん、佐倉想役はSnowManの目黒蓮さん。
他にも板垣李光人さんや桜田ひよりさん、篠原涼子さん、鈴鹿央士さんなどと…、とんでもないスケールのキャスティングで送られたこのドラマが起こした社会現象も、記憶には新しいと思います。
主題歌も大ヒットでしたね。懐かしい。
ではそのドラマが何?となりますと…
私が現在勉強している内容につながります。
それは手話。手話技能検定です。
まだひとつも受験できていないのですが、とにかくちゃんと話せるようにと頑張って勉強中です。
そしてこの勉強のきっかけが、silentでした。
何を隠そう、本格的になったのはつい最近なんですが…笑
と言うのも、手話にここまで執着するようになったのも最近のことで、ドラマの後すぐに熱中し始めたわけじゃないんです。
ドラマから約一年が経過していた頃(つまり2023年の下半期ですね)、まぁ色々ときっかけもありまして、silentのシナリオブックを読んだり、ドラマを見返したり、サントラを毎日のように聴いたりと…
再びsilentに入り浸る生活が始まりました。
そして本格的に、手話の勉強を始めました。
理由なんて単純明快。憧れたんです。
silentというドラマ自体に。
紬ちゃんと想くんが紡いだ言葉、湊斗くんと想くんが交わした言葉、想くんと光くんをつないだ言葉、春尾先生と奈々ちゃんが結び直した言葉。
私の人生を「silent」というドラマが、変えてくれました。
そしてその上で、私に新しい夢をくれました。
それが手話技能検定の受験と、手話通訳者です。
まぁなんと言いますか、元々「自分のできないこと」に憧れるような、根本的なちびっ子思考回路でして。
手話を勉強したい、できるようになりたい!って考えるようになったのも、「何これかっけぇ!」が始まりなんです。
何これ知らない→できない…→かっけぇ!→できる人いっぱいいるの!?→やだ悔しい私もできるようになるもん!
…みたいな笑
これで幾度となく色んなものに手を出しました…笑
そしてこの突発的な思考回路に、silentというドラマが後押しをしてくれて。
やってみてできなかったことの方が多いですが、手話なら、私でも立派な形にできると思いました。
何かをやるにしても「できなかったら」「もう遅いかもしれない」って考える人が多いかもしれませんが、その点においてはちびっ子思考回路なのでね、やりたいことはやれるならやる、っていう感じです。
やってみてできなかったらいいんですよ。
今はやる時じゃなかっただけ。時間が経てばできます。
今回の私は、手話をできるようになりたい、ってところにドラマがいてくれて、手話通訳者っていう仕事もあるって知ったからこそ、こうして踏み出しました。
私は手話を、世界で一番静かな言葉だと思っています。
そして、世界で一番賑やかな言葉だ、とも。
私自身が相当なおしゃべりで、誰かと会話をすることが大好きな人間だからこそ、「言葉」や「会話」を、ずっと大切にしてきました。
成長して、思考も大人になりました。
高校では広い世界に触れることができて、自分の狭い、田舎に閉じこもっていた価値観が、一気にワールドワイドなものになりました。
だからこそ、色々な言葉に触れて、どれだけ自分が狭い世界にいたのか、知ることができました。
重く、貴重で、何より二度と聞くことのできない言葉を、たくさん受け取って。
そして自分自身も、ひとりで背負うにはなかなかな言葉を、信頼してもらって、その上でしっかりと背負いました。
言葉の重さと、一つひとつの貴重さ。
それを学んだ高校三年間があったからこそ、私にできる手話通訳者としての仕事が、あると思っています。
言葉は重いです。そして時には、ちゃんと軽い。
全部が全部重かったら、流石にみんな潰れちゃいますから。
重いものと軽いもの、ちゃんと両立してこの世には存在している。
それを手話で受け取って、声にする。
それを声で受け取って、手話にする。
生半可じゃない世界で生きてきた友人たちに囲まれ、その世界で一緒に戦うことができたから、言葉ひとつが与える影響も、十二分に理解できているつもりです。
つもり、なのでまだまだ未熟ですが…
少なくとも、誰かの言葉を無碍にする。
そんな人間には、なっていないと思うんです。
だからこそ、誰よりも慎重になって、言葉を大切にできる。
言葉を大切にできるからこそ、誰かと誰かの言葉を繋ぐことができるのではないかと、そう思うのです。
あとはまぁ、これは書こうか渋ったのですが…
高校生の頃、一瞬だけ勉強をしていた時期があって。
たまに覚えた単語や文章をやってみせて、「どんな意味だと思う?」みたいなことを友人たちとよくやっていたんです。
わからないからと教えたり、答えを友人たちが当てたり。
それが、楽しくて。
教えて、かわいいね、むずかしいねって笑いあうことも、答えがわかって嬉しそうにしているのを見ることも、私も忘れちゃってみんなで考えることも、全部、楽しかったんです。
やっぱり、楽しい記憶も、必要なんだなって、思いました。
一回、不意打ちで「片思い」を教えた時は、答え合わせでとんでもなく良いリアクションをもらいました。
ちゃんと「好き」も教えたから、大丈夫でしょう。笑
私は、あまり物事に対して深く考えることがないんだと思います。
最近ではジェンダーの問題とか、人種とか、色々と出ているじゃないですか。
それに対して、これといった意見を抱いたことが壊滅的になくて。
確かに批判するような人に良い印象は抱きませんが、これといってないんです。
それならそれ。これならこれ。
目の前に転がされた事実が、私にとっての事実、みたいな。
言語化することが難しくて大変なのですが…
「私はこうです」って一度示されたら、それが私の中でのその人に対しての印象になって、別に変わらないし、誰かに指摘されても気づかないとか、多々…
だからこそ、手話もそれのひとつでした。
「耳が聞こえない人のことば」として初めて学び、認識はそのまま。
多少の知識を得て変わった部分は確かにありますし、私の思考回路も大人になりましたから、良くない認識は捨てましたが。
私にとって手話は、声と同じように会話ができる言語のひとつに過ぎなかった。
私は「手話」に興味を持って、「手話」ができるようになりたかった。
それで、この世にたくさんある言葉を、伝えたかった。
重いも軽いも全部拾って、ひとつ残らず、伝えたいことをちゃんと伝えられるように。
手話だから伝わらなくても仕方がない、なんて言いたくないから。
手話は言葉です。
だから私は好きになった。
伝わらなくて大変な思いをするかもしれません。
伝え過ぎてしまう時が、来るかもしれません。
でも、人生なんて挑戦してこそ価値があるものです。
Boys be ambitious.
少年よ大志を抱け。
誰かがそう言ってくれたなら、私はその言葉通り、大志を抱きます。
私が大好きでたまらない言葉を、これからも全力で愛していくために。
誰かの大切な思いを、伝えられるように。
新年が明け、けれど明るいニュースばかりではありません。
被災されました皆さまに、明るいニュースが舞い込むこと、一日でも早い復興を、お祈り申し上げます。
どうかご自愛ください。
まずは、自分のことを第一に。
誰かを守るためにも、自分を、大切に守ってあげてください。
のまる。
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