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初めてのプチ断食体験㉛ 

※注)これは、2020年から私の身の上に起こったことを
思い出しながら、それを乗り越えるまでの体験を
書き綴っているお話です。
先の事はわかりませんが、今現在はたくさんの出来事を超えて
新たな課題と共に元気に生きています。

※注)以下の内容は、私個人が聞いたり、興味を持ち、体験して感じた事をそのまま書き綴っています。個々の選択や考え方、各分野での専門家や医師の見解はそれぞれ違うと思います。癌治療はセンシティブな問題ですが、正解はないのです。自分の体験が誰かの何かヒントになれば幸いです。どうぞ、その事をご理解の上、読み進めていただければと思います。

(2021年6月)
前回からの続き‥‥
『案ずるより産むが易し』まさにこの表現が、この時の私にピッタリだった。たったの10日間、家から離れるだけで色々考えていたけど、来てしまえば何の違和感もなく、すぐさまこの場所に馴染んでいる自分がいた。

診察が終わり、早速にんじんリンゴジュースのお昼ご飯。
コップ3杯のジュースに、梅干し、生姜の絞り汁、レモンがついてくる。
生姜とレモンをたっぷり入れて飲むと、めちゃめちゃ美味しい。
想像してたのとは、全く違う。
かなり美味しい。 酵素不足の身体にが生き返る。飲むたびに五臓六腑に沁み渡る。そんな感じだった。

希望すればお部屋にジュースを持ってきてくれる

この施設には、色々な施術が受けられるサロンやフェイシャルエステに、ヨガクラスもある。

ヨガやストレッチのクラスや、先生の講習会、露天風呂などは全て無料で利用できる。先生の診察も必要あらば漢方薬が処方されて、ほぼただ同然の値段だ。全て部屋代に込みと考えるとかなりお得に感じた。それでいて宿泊施設はすごく綺麗だった。

マッサージなどの施術料も高額かと思いきや、街の値段と変わらぬ感じで、かなりリーズナブル。

ここでは、他にも鍼灸、整体、カッピング、よもぎ蒸し、マッサージ、枇杷葉温灸、など様々な施術が自由に受けられる。どれも魅力的だけど、私は、全身マッサージ、生姜罨法、枇杷葉温灸を滞在中に受けることにした。

以前から受けてみたかった、全身生姜罨法を早速予約した。
これは家でやるにはかなり難しい手当なのでここで受けれるのはとても嬉しかった。施術中は気持ち良すぎて、いつのまにか寝てしまっていた。冷えた身体が一気に温まって、びっくりするほど汗がでる。終わった後は生まれ変わったみたいに身体が軽くて爽快だ。しばらくポカポカで気持ちよさが続く。

少し部屋でゆっくり過ごし、夕方にはヨガクラスがある。
会場は心地のよい照明でかなり落ち着く環境で、インドにいた頃を思い出す。
ホッと一息自分に帰る時間。
優しい誘導で、凝り固まった私でも無理のないプログラム。
日本のヨガクラスはなんだかオシャレで、身体が固いとちょっと参加しずらい感じがしてたけど、ここではできない私も肯定される感じで、心まで癒された。ヨガ講師はとても若くて可愛い人だったけど。精神性は高く、とにかく優しい。インドが大好きなので、終わった後はその話で盛り上がった。
年の差を感じることなく話ができたのがなんだかすごく嬉しかった。

楽しい夕方のプログラムも終わり、夜は軽い玄米食が出て就寝。
玄米食とはいえ固形の物は一切なく。玄米クリーム、大根おろし、具なしの味噌汁に梅干しのみに食事だった。
それもまた、空っぽのお腹にはいい感じで沁みわたりほんとに美味しかった。

このメニュー毎日でも食べたいくらいGOOD

食後、しばらくして夜の露天風呂。シーズンオフでもあり、夜はあまり人気のない時間なので、お風呂も貸し切り。 幸せ~✨
たった一人で入る露天風呂は至福の極み。そこには大きな木が数本立っていて、美しい緑の葉をつけた枝がゆらゆらと風に揺れている。何も考えずただ木が揺れているのを眺める時間。静寂の中、自然が奏でる音しか聞こえない。

喧騒の中、我を忘れて活動してきた自分とゆったりと向き合う時間。
無理に考えて決めるって行為をとにかくこの10日間はやめておこう。
そう思った。自然は無条件に私を受け入れて、歓迎してくれているみたいだ。涙がポロポロ流れてくる。貸し切りだしね。思いっきり泣いていいね。

初日から盛りだくさんの充実した時間。身体も頭もきっとリセットできるはず。1日目にしてすでにそんな気分だった。

10日間の食事のプログラムはこんな感じ。
朝8時 ニンジンリンゴジュース3杯
10時 具なしの味噌汁
15時 黒糖入り生姜湯
17時 玄米重湯、具なし味噌汁、梅干し、大根おろし

最終日のお昼だけ豪華なオーガニック玄米健康御膳が出るらしい。
これがすごく楽しみなので頑張れそうだ。
とはいえ、ここにいる限りはそれしかないのだ。食べ物は手に入らない仕組み。近くに食材を変えるお店は一切なし。自動販売機さえ見当たらない。
売店もあるけど、お土産用のお煎餅的なものは買えない。
黒糖以外食べ物は購入禁止。断食中の人が買っていいもが決まっている。

うんうん!いい感じ。意志の弱い私にとっては、食べ物からこのくらいの隔離が必要だ。お塩や生姜湯、黒糖、オーガニック紅茶は部屋に常にあるので、塩をなめたり、黒糖食べたりはOK。(とはいえ不思議と黒糖食べる気にはならなかった)


生姜湯を利用した紅茶がとっても美味しい



この時の体調は、心身共にかなり悪くて、身体は常に浮腫んでいて、子供の看病疲れもあって、自分の人生の危機でもあり精神も破壊寸前。何もかも全く流れていない感じだった。

トイレも大小出が悪く、毒素を溜め込みまくっている感じだ。
手術をした下腹も痛くて重い。この痛み同じ病で亡くなった友が最後に言っていた同じ感覚だったので、気持ちかなり焦っていた。

ここに来る前、下調べしていた時に読んだ誰かのブログには、頻尿の人の尿が2、3日後には滝のように出ると書いてあって、少し期待はしつつも半信半疑だったが‥。
二日後には、自分も同じ体験をすることになった。(笑)私の場合はお腹も張っていて、手術で膀胱に繋がる部分も触っていたので、トイレの感覚がかなり変だったし、出も悪かったのが辛かったけど、2、3日後から浄化が始まり、何かの蓋が外れたかのように、全てが滝のように出始めた。

人間の身体ってほんとにすごい。あんなに困難だと思われていた事が、身体に合ったやり方で働きかけると、ちゃんと反応してくれている。

3日目まで、感情も体も浄化が起こって、涙もあせもあれもこれもが流れる流れる。リフレッシュとか思っていたら、4日目の夕方くらいから好転反応が出始めた。少し微熱のような感覚と身体全身の痛み。何より頭が引き裂かれそうなくらいの痛み。割れそうなくらい痛い。身体もなんとも言えない感覚。どうしよう痛すぎる……。身体も浮腫んでるし張り裂けそう…。そんなことを思いながら一晩じゅう水分だけをとって、部屋の中を行ったり来たり。痛みにもがきながら気づいたら夜が明けそうになっていて、さすがに疲れて少し眠った。朝ジュースが運ばれてきた時に目覚める。
あれ……?軽い。 さっきまでの痛みや重い感じはなく、お目目ぱっちり、身体も気持ちもすごく軽い。そして大量の汗をかいていた。

ジュースの前にシャワーして、すっきり爽快。
びっくりするほどに視界もクリア。
「これが好転反応というものか。」かなり強烈な感じだったけど、長年溜め込んできた毒の解放にはこのくらいの痛みが伴うのか、いや、これは身体の叫びだな、私はこのくらい自分を痛めつけてきたんだと実感した。

プログラム中は定期的にフロントから体調の変化はないか、確認の電話がかかってくる。頭が痛い旨は伝えていて、すぐさま先生を呼びますと言われたけど、もう夜だしご迷惑なので大丈夫ですと断った。
こんな事でも、また人に気を使う癖が止まない。そして、そんな私は次の日先生に叱られた。(笑) 朝一で電話がかかってきて「何かあったら夜中でもなんでも連絡してと言ってたでしょう!」そういえば、電話番号ももらっていた。「良く我慢しましたね。いくつか漢方だしますので、次にそんなことがあったら飲んでください。我慢したらだめですよ。」と漢方薬が部屋に届けられた。このお叱りでさえもありがたかった。

しんどい時にしんどいと言えない私。
人の手を煩わせてはいけないと思う私。
痛い、疲れた、休みたいと言ったら叱られて育った私。
我慢強い私。痛くても笑ってごまかす私。
熱があっても学校に行ったり、心配とか迷惑かかることはしてはいけないといつも周りを気にしていた私。そうやってすればするほど空回りしていて、親には心配ばかりかけてきて、人を遠ざける人生を歩んできた気がする。

そして、このすべてが癌という病を自分の身体に作ってしまった原因ではないかと感じでしまう。いつになったらこの条件付けを手放せる時が来るのだろう。
そんな感情とも向き合ういい時間だった。

……続く


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