【絵本野山草】(7) 山郭公/かるかや/平江帯/うこん草/葵/蜀葵
山郭公
時鳥草。
花のかたちつねのほとゝぎすにて、色は其鳥の羽のごとくなる。さゝらあり。つねのほとゝぎすより葉も丸く、花もはやさきなり。七八月花さく。漢名、三白草。
かるかや
漢名、燕麥。
葉、雀麦のごとく、花もまたおなじ。いろ花葉莖ともにくろくこはし。七月に花。和哥にはたゝかやともよめり。白めかやとも、さま/\うたによめり。
※ 「雀麦」の読みは、茶挽草。烏麦の別名。
※ 「くろくこはし」は、黒く強し。
平江帯
六七八月花有。葉、●翁菜に似てきれふかく、花しの立、末にるりむらさきいろ、あざみのかたちにて丸きはなさく。至極かはりるり、又、ひらい草ともいふか。又、ひこたへといふ也。
うこん草
鬱金。
葉、美人蕉に似たり。花のかたち款冬花のたけたるごとく、はの中に咲。色白く少しうつり見ゆる。八九月花有。
葵
菺葵、戎葵ともいふ。五月花有。くれない八重、一重有。花形木綿の花のごとし。紫一重、千重有。雪白千重と一重有。源氏うすいろにて、花のへり白し。八重、一重有。そこ白八重、一重有。花の中白し。
蜀葵
又、底赤と云は、花の中赤し。うす墨、薄ねずみ色、八重一重有。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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