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【絵本野山草】(20) 日向葵(ひゆうがあをい)/あらせいとう/七輪草(しちりんさう)/羅生門/残菊(ざんぎく)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『畫本野山草 [3]

丈菊じやうきく

日向葵ひうがおをひといふは、たけ七八尺、花の大さ七八寸、色黄にして、春菊しゆんきくに似たり。かたち岩畳がんでうに見えてやはらかなり。此はな、あしたひがしむかひ、日中につちうにはみなみまはり、夕陽せきゆうころ西にしにむかひ、大陽たいやうふ。よつて日車とも名づく。合歓木ねふりのきゆふべに葉をたゝみ、朝にひらく。其外、朝に開き夕にはなびらかくゆるをゝし。丈菊ひとり大陽にむかひまはる。東坡とうばに「李陵衛律陰山死。不  葵芲 織 大陽 」と云にひとし。七八月花。

※ 「大陽たいやう」は、太陽たいよう
※ 「かくゆる」の読みは、誤読しているかもしれません。

日車草 ひぐるまさう


出典:国立国会図書館デジタルコレクション『畫本野山草 [3]

あらせいとう 紫羅蘭花しららんくは

三月はなさく。花のかたち柳葉やなぎはにしてひろく、はのうへにふく。くきふとく、ふしたかし。はなびら四辨しまい、いろねびむらさきにつやあり。そこ白し。葉のうへにすゞなりにさく。あとに皀角さや有。かたち豇豆さゝげのごとし。さゝげのはやなりに、これをかへもちゆるなり。

あらせいとう


七りん草 九輪草くりんさう 旌節花せいせつくは

花のかたち、さくら草のごとくにて、はらびらあつく、しのたちまはりさく。しのふとくたちのび、だん/\にさく。色かずあり。白紅、あるひは、ゆきしろげんじ、又、うすいろ、咲分さきわけ有。紅にしてはなびらふる白きを源氏げんじ九りん草といふ。

※ 「咲分さきわけ」は、ひとつの株の草や木に、色の違う花が咲くこと。

七輪草 しちりんさう


羅生門らしやうもん

はな三月。はなるり色、とりかぶとのはなのごとし。葉おどり草のはにして、すこしながくうすし。くきつるしやうず。くきをふせ、ふしよりををろしはびこる。

羅生門 らしやうもん


出典:国立国会図書館デジタルコレクション『畫本野山草 [3]

残菊ざんぎく

花白 マンナカシヲウノクマ
ウラサキヨリ エンシクマ



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