【絵本野山草】(22) 岡河骨/鳳仙花/紅花/水葵・水柳/鷺草
をかかうほね
花立、かうほねに似たり。色黄にして少しあかみあり。花の莖長し。枝有。葉だち、つはに似たれどもまるし。きれ有。つやあり。じく、根もとにあかみ有。また、枝もとにふくろ葉あり。四月より五月まで咲也。
※ 「かうほね」は、河骨。水草の一種。巻二に「水かふほね(澤蓬草)」が掲載されているので、よかったら見てみてくださいね。→「水河骨」👀
鳳仙花
はなのかたち、鳥の羽をひらきたるごとし。いろ赤し。大紅、大白あり。桃色有。むらさき有。又、しぼりあり。又、とびいりあり。葉のかたち、亦ももに似てながし。木立 大小有。高さ三四尺ばかりあり。又、一二尺あり。四五寸あるなり。枝あるもあり。なきもあり。三月よりまた八九月迄あり。山里に生ず。本名、金鳳花といふなり。また、俗に、ほねぬきぐさといふなり。
紅花
葉色、浅みどり、臺くきともに浅し。四五月、紅いろのはなあり。葉あざみに似たれども、きれまたなし。はりあり。しげく葉にさゝらありてこはし。又、はなは色あかく、つぼみあざみに似たり。はりと葉にてとりまきしげくありて、はな開くもすこしなり。又、しべのびてさき、五つにひらく。たけ三尺ばかりのび、えだ多し。また、つぼみをゝく葉に添てつく。
※ 「さゝらありてこはし」は、簓ありて強し。
※ 「をゝく」は、多く。
水あふひ
みづなぎ、浮薔、沢ぎきやう。葉のかたち、竹柏に似てつやあり。莖をまきていづる。又、葉葵に似たるを、水あふひといふ。はな、しの立、六瓣のはなつらなりさく。うすいろ、白、むらさきの三品、桔梗のごとく、はな末にいろるり、藤ぎきやうににてちいさく、はなびらきれふかきはな、あい/\にさく。六七八月あり。
さぎ草
白萼、沢潟に似たり。葉、さゝ葉に似てほそく、くきを巻ていづる。はな雪白、小鳥のとぶかたちのごとく、あるひは、さぎのとぶかたちに似たり。沢のほとりにあり。水くさなり。七八月にあり。
筆者注 ●は解読できなかった文字、□はパソコンで表示できない漢字を意味しています。
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