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堺庖丁(さかひぼうちやう)

さかひ包丁ぼうちやう

泉州堺の津 山上文珠四郎、包丁鍛冶の名人也。正銘黒打と云。刃金はかねのきたひよく 切あぢ格別よし。出刃、薄刃、指身包丁、まな箸、たばこ包丁、何れも皆名物也。

荘子そうしにいはく、包丁よく解牛うしをとく。包丁はもと料理人の名也。其人つかいたる物なればとて、つねに包丁を物の名となせり。むかし何人かさかしく、もろこしの故事をとりて名付そめけん。今は俗に返して其名ひろまれり。


※ 「包丁よく解牛うしをとく」は、荘子の「養生主ようせいしゅ」にある「庖丁解牛ほうていかいぎゅう」のことです。庖丁ほうていという人の名が、料理で使う道具の包丁ほうちょうの語源になったとされています。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名物圖會 三
泉州堺の津山上文珠四郎包丁鍛冶の名人也
正銘黒打と云
出刃 薄刃 指身包丁 まな箸 たばこ包丁 何れも皆名物也


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