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昨日、めちゃくちゃワゴった話

 あっ、やばい、気を失いそう。
 ってなる時ありません?
 あれって、そのままいったらホンマに気を失います。
 それだけの記事なんで、読むだけ時間の無駄やと思います。

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1.長時間立っていると意識が飛びそうになる

 私がいつからそういう体質になったのかは、定かではない。
 でも少なくとも、20代の始めに立ち仕事がきつくて辞めたのは、長時間立ってるとだんだん頭が冷たくなって息苦しくなって、意識が飛びそうになるから、というのもあったと思う。
 今だからそう言えるけど、つい最近まではみんなそんなもんだと思ってた。

 根源的に思い出せるのは、親に叱責されている間、ずっと石のように固くなって、身体の感覚がなくなるまで立ち続けていたこと。
 うちの親は執念深い性格なので、それがまた長い。
 そこで、フッと意識を飛ばせたり失神できりゃあ良かったのだけれども、私は変に我慢強いというか、意識を飛ばす素質がなかった。
 でも何だか朦朧としてきたなあ、くらいまではよく体験してた。


 それと、私の持病の過敏性腸症候群(IBS)がどこまで関係するかは分からない。
 気づいたら、下腹部痛が脳に響くようになっていた。
 つまり、「気を失いそうなアレ」の感覚に直結するようになっていた。


2.ほんまに失神した

 私がこれまでの人生で失神したのは、1回だけ。
 妊娠中だった。
 妊娠8ヶ月頃、電車で移動中。
 立ってても座ってても、しんどい。
 大きなお腹の圧迫が、お腹の神経に障ったのだろうか。

 あとちょっと、あとちょっと、と我慢して、ゼエハア言いながら、ものすごい貧乏ゆすりをして、電車の椅子に座っていた。
 この時、なぜ我慢をしたかというと、こういう時はいつも、失神しそうでしなかったから。
 なんだかんだで横になったら、収まる。気合で乗り切ろう。
 そう思っていた。
 だって普通の人が羨ましかったし。

 息苦しい。視界が白飛びしている。耳鳴りがする。動悸がする。我慢できない。
 しんどいしんどいしんどい。気合気合気合。

 我慢して我慢して、ようやく、あとちょっとで目的地につく、というところまで来た。
 早く降りたい、休みたい。
 そう思って私は席を立って、数歩歩いて、そしてブラックアウトした。

 びっくりした。何の予兆もなく(いや盛大にあったと言えばあったのだが)、ぷつっと意識がなくなった。
 そして次の瞬間、床が見えた。私は床にくずおれていた。
 夫の声がする。
「駅員さん呼んでもらえますか」
 ちょうど駅に着いた電車の車内が、少しざわついている。
 やばい。
 ゾンビのような私はゾンビながらも全力で起き、項垂れた格好のまま、
「いい、いい」
と言って夫を連れて電車を降りた。

 ちなみにこの時私は、妊婦ながらに、全面ショッキンググリーンに恐竜の絵、みたいな、いかにも元気そうなTシャツを着ていた。
 失神するなら、もっとしおらしい服を着ておけば良かった、と謎の後悔をした。
 夫ならきっと言うだろう。
「ショッキンググリーンで倒れてもええやろ」
 まあ、それはそうなんだけれども。

 その後、私は駅員室のベッドで休ませてもらい、事なきを得た。


 後日の妊婦健診でその話をすると、いつもは陽気な担当医師がちょっと困った顔をして、「念の為、精神科も回ってください」と言った。
 そして、夫同伴で精神科に行って話をし、「小さい頃の小さいトラウマが積み重なって、自律神経にも影響しちゃってるんだと思う」と優しく言われた。

 その時実際に失神したことで、ようやく私は悟った。
 失神しそう失神しそう、って思ってたけど、やっぱあれ、ホンマに失神しそうやってんな。

 そう。耳鳴りがして、息苦しくて、視野がなくなってきて、動機がして、意識が遠のいてきたら、失神する!
 すごい!あたりまえ!
 右足出して左足出したら、歩ける!ってくらい、あたりまえ!

 …だから言ったじゃないですか。
 読むだけ時間の無駄だって。


3.鎮痛剤を早く打ってほしかった話

 でもこれって、本当に経験していない人には分からない。
 多分、お医者さんでも。

 っていうのがね。こっからが本題なんですけど。
(まさかの)

 今、我が家にはノロウイルスが蔓延してるんですよ。
 いや、診断されたわけではないですけど、娘から、翌日私、その翌日夫、とえげつない感染力を発揮してるの、これもうノロでしょ。
 ってことでノロとします。

 ほんで私は、何なら一週間前から風邪も引いてて、そこに来てノロ。
 つわりで存分に気持ち悪い時でさえ吐けなかった私が、ジャージャー吐けるマーライオン。何かお腹も痛くなってきた。

 ってとこで。ええそうです。来ました、失神感。
 痛すぎて、頭がヒヤッと冷たくなる。ゼエハア言い出す。

 無理すぎて#7119に電話。
 本当は119呼びたかった。早く楽になりたかった。
 けど、マンションの前に救急車が止まってるとこを想像してしまった。それに、痛くて死にそうだけど、でも初めての感覚じゃなかった。これが初めて経験する感覚だったら、119呼んでたと思う。
 それくらい、パニックになる。

 でまた、家出る直前に驚きの事実。
 生理来てるやん…!?(生理重い人)
 え、まだ3週間しか経ってへんけど?
 え、不正出血?え、それで下腹部痛いん?
 あ、もう意味わからん。
 わからんちーん。

 で、何とか病院にたどり着くも、問診がまーーーーー長い長い。
「鎮痛剤打ってください!!」
ってヒーヒー言いながら訴えてんのに、なっがいこと問診。

 とりあえず、水分の点滴。
 ありがとうな!
 喉はめちゃくちゃ乾いてたよ!
 めちゃくちゃ!
 吐いた後は飲むなって言うからね!
 けど鎮痛剤は?!まだかな?!
 まだかな!?!?

「痛み止めまだですか」
「この後打ちますんでね」
 この後打つなら今で良くない?!?!?

「下痢の回数は?」
「一応、1回…」
「二枚貝食べてない?」
「ない」
「妊娠してない?」
「ない!!!!」 

 伝われこの痛み。
 そう思った時が、私にもありました。

 問診、からの触診。
 もうちょっとで、大きい声で「早く鎮痛剤打って!」とキレるとこだった。

 その後、満を持して鎮痛剤打ってもらい、何とか我を取り戻した私は、そこでようやく、初めて担当医師をちゃんと見た。
 ムキムキだった。
 えっ、この状況で、ムキムキ…?
 色黒で、真面目そうなメガネで、ムキムキ。
 何で…?
 何のための、ムキムキ…?
 私はしばし、そのムキムキの意味を考え込んだ。

 ちなみにそのムキムキドクターはフェロー的な人で、シニアっぽくないシニアの医師が付いていて、これまた爽やかではあるが、「合コンが終わってからめちゃくちゃ女のランク付けしてそう」な医師だった。
 プライベートでは絶対に仲良くならないタイプだった。

 その医師は、「そんなに痛くないはずなんだけどなあ」と首をかしげ、
「人生で一番痛い?」
と、合コンの最中のような笑みで私に聞いてきた。
 むかついた。後で絶対、
「痛いわけねえよな?あんなんで。痛がりすぎだろ〜ぎゃはは」
って言うだろ!?お前絶対そう言うタイプだろ!?なあ!?
と思った。

「二番目です。陣痛の次。まあ無痛分娩でしたけど。一部効かなかったんで」
と言ったら、案の定、
「無痛って言ってましたねw」
と、笑っていた。私の心の中の浜ちゃんが、グーでどついた。


4.血管迷走神経反射

 結局このnoteで何が言いたかったかというと、痛みは、分からない人には分からない、ということ。

 そして、後で冷静になって考えてみたら、あれは血管迷走神経反射だったな、ということ。
 一時期、Twitterでバズってたこちらが分かりやすい。

長い問診中、
「今一番、何がしんどい?」
と聞かれて、 
「失神しそうなこと!アァ」
と答えたけど、
「妊娠中、失神したことあるんですけど!ヒイ」
って言ったけど、
気づいてもらえなかった。

 やっぱり認知度が低いのかしら。
 まあ、命に差し障りのある病気じゃないからね。
 とほほ。

 救急車呼んでたら、そういう人の経験多くて、「あ!ワゴってる!」と気づいてもらえたのかしら。

 今後は自主申告しよう。
「ワゴってますんで!!!よろしく!!!」


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 身体も本調子じゃないので、とりとめもない文章で失礼しました。
 お医者さん、勝手に悪く言ってごめんね。
 受け入れてくれてありがとう。

いつもありがとうのかたも、はじめましてのかたも、お読みいただきありがとうございます。 数多の情報の中で、大切な時間を割いて読んでくださったこと、とてもとても嬉しいです。 あなたの今日が良い日でありますように!!