「面白い」で美顔ローラーに勝つ
先日、頭まで布団を被って寝ていたらしく、
娘の「バア」で起こされた。
尊すぎて寝起きの頭がフリーズしていたところ
なでなでの追撃がきた。
こんなに幸福な寝起きがあっていいのか…
間違えて極楽浄土に目覚めてしまったのかと思った。
*
ものを書く上で、「自分の強みって何だろう」というのをときどき見かける。
私は「面白い」と言われることが多いし、実際それを「強み」として認識してものを書くことが多い。
けれどそれは、別にものを書くのに始まったわけじゃない。
私が面白いのは、夫にモテるためだ。
今から5年ほど前。
入籍前の夫と遠距離恋愛をスタートさせた。
そのころ、夫は東京で就職し私は関西で大学院生をやっていた。
遠距離恋愛でも大丈夫、心配はいらないと思ってはいたものの、ふと真面目に考えた。
夫の勤め先って、美人で頭良くて魅力的な女の人がいっぱいいそう。
知らんけど。
そもそも東京は誘惑も多そう。
知らんけど。
で、考えた。
(想像上の)彼女ら誘惑よりも強く、夫を自分に引きつけておくにはどうしたらいいのか。勝てそうなポイントを考えた。
顔面:勝てない
知能:微妙
生産性:惨敗
爽やかさ:惨敗
健康:惨敗
面白さ:勝てる
考えて1分くらいで、答えは出た。
自信があるのは面白さだけだったから。
というわけで、その日私は心に誓ったのだった。
「よっしゃ世界一おもしろい彼女(妻)になろう」と。
だからといって、毎日裸踊りをするだとか、突然奇声を発するだとか、特別な何かをしたわけではない。
(特別な何かではないだけで、ナチュラルに裸踊りをしたりナチュラルに奇声を発したりすることはあった)
ただ、美意識の高い人が毎日パックをして美顔ローラーを当てるように、私は毎日彼氏(夫)を笑わせた。
幸い、私は生粋の関西人で、のほほんとした夫を笑わせることは全く難しくはなかった。美顔ローラーの方が、よほど私には敷居が高い。
今日の夫は、
・私が関西のおばちゃん喋りで娘にご飯をあげているのを聞いて、後ろで笑っていた。
・先日の note を読んで笑ってくれた。
・昼寝から起きたものの血が巡らず真っ白な私の顔面を見て笑っていた。
夫を笑わせることが、唯一にして最大の私の武器で、「夫を一番笑わせる人間」のポジションは、死んでも誰にも譲らないつもりだ。
どんなに仕事の出来る美人が来ても、どんなに小悪魔な黒髪美少女が来ても、世界でいちばん、夫を笑わせられるのは私だ。
「どんな素敵女子でも、かかってこい。相手してやるよ」ぐらいの気持ちでいる。
だから私の「面白い」は、「売り」とかそういうのの前に、ただのライフワーク、人生を通した命題なのです。
でもまあ、その「売り」を考えた結果、私がより面白くなって、夫が更に面白さを享受できるなら、それは良いことだなあ、とは思っている。
*
最近娘は、求めているのと違うものを食べさせられようとすると、「イヤッ」とばかりに私の手をスプーンごとはたく。
経験者は分かると思うのですが、これが本当にむかつく。
で、私は露骨にむかついた顔をする。
娘も娘で、悪いことをしたと即座に理解するから、口をへの字に曲げる。
「娘ちゃん!」と私が怒った声を出す。
心底悲しい顔で、泣きそうになる娘。
というのがよくあるパターンなのですが、
なぜか昨日は天を仰いだまま泣くのをこらえていた。
「娘ちゃん!」→口をへの字にしてこらえる
を3度ほどくりかえし、上を向いたまま涙をぽろんと流して、こらえきった娘。
頑固というか健気というか。
笑っちゃった。
むかつくし可愛いしで、あっちこっち情緒が振り回される母なのでした。
いつもありがとうのかたも、はじめましてのかたも、お読みいただきありがとうございます。 数多の情報の中で、大切な時間を割いて読んでくださったこと、とてもとても嬉しいです。 あなたの今日が良い日でありますように!!