箱庭の夢がカタルモノ
32歳で結婚、こどもは2人
4LDKのマンションで
交通の便が良い都会暮らし
中学校時代、家庭科の授業で
未来のモデルルームを
発砲スチロールで組み立てる
窓は出窓がいいな
庭は広めで花をいっぱいにして
南向きの陽当たり良好
好きな色の壁に床に
シールを貼って
イメージと違うと剥がして
また貼って、剥がしてみる
よしよしこんなイメージだ!
中学生の夢は膨らみ続ける
あれからどれぐらい経ったのだろう
44歳、パートナーはいるが未婚
もちろん、子なし
現実はこんなもんかと呟く
未知数の夢は現実から程遠く
理想のイメージからは抜け出せない
「将来何になりたいの?」
「どんな大学に行きたいの?」
詳しく詳しく考えてみる
職業、キャリア、生活、お金、
出世、偏差値が高い、有名大学、
高学歴、幸せへのみちしるべ
本当に?本当に?
合っているのか?
間違っているのか?
親や学校の先生は
ガミガミ言うばかりで
友だちも謎の呪文を唱えるだけ
それを測る尺度はない
明確な答えもない
手探りで見つける答えを頼りに
気がつけば社会の渦に呑まれ
多忙で余裕のない日々が
無意識に不安を打ち消していく
私の好きなものは何?
私の好きな人はダレ?
私の欲しいものは?
箱庭の夢は現実世界には
残念ながら存在しない
あるのは頭の中にだけ
キャリアデザインを考える
それは身近な何か
いつも近くにある何かとは?
好きなコトだから
好きなモノだから
ずっと続けていても苦じゃないから
幼少時期から
step by step
好きなことをたくさん作ろう!
たくさんの体験や経験をして
泣いたり笑ったり
感情をコピーすることが大事
家族や友だちだけじゃなく
多くの人に出会い
たくさんの人と話をしよう!
性別も人種も民族も文化も宗教も
バリアフリーで
1人1人の人間の考え方を噛み締め
人の優しさや悲しみや
成功や失敗に触れ
心の新芽を育てよう!
日々生きることの大切さ
難しさに触れて
色々な面で頭を抱える日もある
だが全ては
やりがいや生きがいを見出す
原動力となる
現実に目を向け
目を背けることなく
真っ直ぐに見る
逃げてはいけない
隠れてもいけない
ピュアな心でひたすらススメ
その遥か先に想いを巡らせ
5年後10年後の自分の姿が
くっきりと浮かび上がってくる
幼稚園の先生
音楽の先生
みんな優しかったから
女の子だし
ケーキ屋さん
お花屋さんもいいな
好きなものや好きな人と
なりたいものが混ざる
幼少期
高校生での進路決めの時
とうとう大学進学かと
深いため息で助走をつけて
そのうえ格好もつけて
医者になりたい
人助けは喜ばれるし
でも偏差値が高すぎるから
やっぱり難しい
気持ちが続かない
医者は無理かな
歯医者ならできるかな
医学部よりはマシか
理系は数学が必須
化学、物理、生物
生粋の苦手科目のオンパレード
どちらかと言えば文系
現代文、古文、英語、世界史
理系を諦める
文系の最たるものは法学部
カッコイイから
弁護士や検事だな
犯人を追い詰める
スーツ姿のイケてる自分が
トレンドドラマから降ってくる
英語にも興味があって
法律と英語ならやっぱり
外交官かな
今あるものにかけ算
割り算引き算足し算
むしろ数式解読不明
大使館に見学に行った
レポートを書いた
大使館職員に職業が変わる
日々の気分や
バロメーターとともに
進路や希望がコロコロ変わる
就職して離職して
やりたいことがない
バイト生活の中で
急な光が射し込む
その瞬間
本当に好きなモノ降臨!
やっぱり英語を使う仕事がしたい
何でもいいから
それだけはぶれない、変わらない
なんだかんだで
最終的に英語を使った仕事に
いつの間にか就いている
何となく幸せに
少しやりがいを感じる
そんな生活を送っている
飾らなくていい
等身大の自分が
必ず奥深くに持っているモノ
箱庭の夢はカタラナイ
だから見つけて欲しい
日々を生きる君たちの中で