高橋俊之@モメンタム・デザイン

早稲田大学グローバルエデュケーションセンター リーダーシップ開発プログラム副統括責任者、 淑徳与野中学・高等学校 教育顧問 プロジェクト・ファシリテータ https://momentum-design.com/

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    最近の記事

    話したことなかったのに最初から心理的安全性高いって、なんで?

    話したことなかったのに最初から心理的安全性高いって、なんで? 上の言葉は、ちょうど先日、「リーダーシップ開発:授業外への適用」の授業内(ちょっと分かりにくいですね笑)で、ある学生二人の会話に出てきたものです。 心理的安全性を高めるのに自己開示が必須って本当?そのうちの片方は、心理的安全性の高い状態を自分のゼミ内で作ろうとしていて「このためには自己開示が必要じゃない?」と考えていて、その作戦を話しつつありました。 ところが彼、その途中で「あれ?」と疑問に思ったとか。という

      • 僕らが作る連ドラの最終話を考えよう

        今週の「リーダーシップ開発:理論とスキル」では、各クラスでクラスビジョンを考えてもらいました。ビジョンと言っても、かっこいいけど具体的なイメージが湧きにくいキャッチフレーズ的なものではなく映像で目に浮かぶような、もし自分たちのクラスを連ドラに例えるなら、その最終話を考える感じです(もちろんハッピーエンド)。 良い目標設定、心理的安全性、自己調整学習者で、一石二鳥、三鳥になりそうだと、とても楽しみに思っています。まず、リーダーシップに不可欠な目標設定・共有そのものだということ

        • 真の心理的に安全な場

          「心外です」 いつも授業前にミーティングを行っている開発チーム。先週は授業が最終回だったので振り返りを行っていました。その中で、一番印象に残ったのが冒頭の言葉です。   これは開発チーム学生メンバー(CA)の一人が笑いながら発した言葉。何が心外かというと、学期途中で授業運営チームの学生メンバー(TA)から「CAつらそう、楽しくなさそう」と言われたことだそう。   この現象、とても興味深く思っています。 TAたちは開発に直接は関わっていないのですが、Slack上でのCAたち

          • 苦手なことを習い事にして見えて来たこと

            最近いろいろ発見があるのですが、なかなか考えをまとめている時間がありません。そうこうするうちに時が経ってしまうので、まとまらなくても書いてみようと思います。 今日は、苦手なことを習い事にして見えて来たことです。苦手なこととは運動。習い事とはジムでトレーナーさんに指導してもらっていることです。 運動はずっとあまり得意ではなかったのですが、年齢のためあちこち痛くなってきて「これは体のメンテをしっかりしておいた方が良さそうだ」と思って始めました。なのでジムも整形外科付属のもので

            デジタルが良いとは限らないよね

            昨日は、問題解決プロジェクトの授業でクラス内予選が行われました。正直、先週までは「間に合うのかな?」という感じだったのですが、みんな驚異的な仕上げで、「おー!」思わせるものに持ってきていました。 チーム間は互いにライバルであると同時に協力者という関係もあるので、フィードバックを送り合います。前期まではこれをSlackでやっていたのですが、今期はCAたち(開発担当学生スタッフ)の提案で、あえて付箋紙に書いてもらうことにしました。 で、その結果についてあるTA(授業運営学生ス

            上司とプライベートまで仲良くなる必要ある?

            上の会話は「権限のないうちからやりたいことをやれるようになるには?」というテーマで学生にディスカッションしてもらっていた時に出て来たものです。 「上司と仲良くなっておいた方がいいんじゃないか」「でもプライベートの話とか上司とあまりしたくないし、ましてや時間外まで職場の人たちと一緒にいたくない」という話は社会人の中でもよく出ます。しかし、プライベート抜きで上司と仲良くなることは可能なのでしょうか? 仕事内容や職場の性格にもよりますが、僕の結論としては、可能だと考えています。

            忘れ物・探し物、逆転の対策

            (6月から、新たな書き方を開拓しようとライティング・ゼミに参加し始めました。この記事はそのゼミでの投稿記事です。リーダーシップや論理思考とのつながりをあえて言えば、どちらも人に動いてもらったり物事を変えたりするために使うもので、忘れ物・探し物を減らすこともそう、ということでしょうか笑) ある朝、次男(小6)が学校に行く直前のこと、 「ねえ、俺の靴下知らない?」と次男。 「知らないよ。ないの?」と僕。 「うん」 「この間、お母さんに買ってもらってなかった?」 「買ってもらった

            マイノリティにして良かった

            早稲田大学リーダーシップ開発:問題解決プロジェクト(PBL)の授業が始まって早くもDay3まで終わりました。早稲田LDPはDay8で1科目が終わるので速いです。 そんな中、きのう一番思ったのは今期も「マイノリティ」をプロジェクト課題にして良かったな、ということです。 まずとにかくうれしいのは、みんなが本当に真剣にディスカッションしていること。マイノリティ以前だと、どこか「そんな感じでいいんじゃない?」という軽い空気も見られました。 仲間のマイノリティ性を扱うと真剣になれ

            改革は外科手術より指圧と思った方がいい

            日本ではもう何十年も「強力なリーダーシップが足りない」と言われています。古くからは少子化問題や、国際競争力低下の問題、最近では新型コロナウイルス対応について、 ・不都合な真実であっても現状を正視し、 ・困難でも進むべき道を突き進む ような強力なリーダーシップが必要なのに、それが日本にはない、と言われています。 しかし、足りないのは本当に、強力なリーダーシップなのでしょうか。それがあれば停滞した状況をぶち破っていけるのでしょうか。 強力なリーダーシップを発揮したら…2020

            読書メモ「政治学者、PTA会長になる」

            読書メモ第2弾です。今回は、 「政治学者、PTA会長になる」(岡田憲治著 毎日新聞出版)です。 別に、PTA運営に携わりたくて参考になった、ということではありません。「絶対おかしいよな、これって」と思うのになかなか変えられないことに直面した時、「こうした方が絶対正しいでしょ」と確信を持っていることを理解してもらえない時、そういう時に何を考えるべきかの参考になる本でした。 ある日突然、PTA会長に推薦された政治学者ある日突然、PTA会長に推薦されてしまったオカケンこと岡田

            読書メモ「総務部DX課岬ましろ」

            読書メモは僕はあまり書かないのですが、思うところあって少し書いてみます。今回は、 「総務部DX課岬ましろ」(須藤憲司著 日本経済新聞出版)です。 突然DX担当に任命された新卒4年目の若手主人公(岬ましろ)が、DX請負人のコンサルタントとともに、老舗洋菓子チェーンを舞台にDX導入を進めるというビジネス小説仕立ての本で、「もしドラ」に少し感じが似ています。 DXについて「でぃー、、何?」という感じだった洋菓子会社の中で岬さんは、コミュニケーション促進のためにチャットツール(

            学校だからできることって?

            (今回の記事は消費者/ユーザー側としてふと思ったことを書いています。知識もあまりないので認識の間違っていることもあるかもしれませんが、問題意識やアイディアの始まりはこんなところから、という例にもなると思い、上げてみます。) 先日、中3の長男の部活(卓球)の保護者会があったので、行ってきました。各保護者の自己紹介があってみなさんが言われていたのは「子どもがとても楽しいと言っている」「以前はスポーツとか全然やっていなかったけど楽しくやっているみたい」「打ち込むものができて親とし

            0から1を作るには?-6割は借り物、2割は不満、2割が思考

            この間のことです。妻が家に帰ってきて本棚を見て「これはすごい! 自分で思いついたの?」と聞いてきました。 何の話かというと、一杯になってきた本棚(普通の本棚より奥行きがあるスチールラックですが)にもっと本を入れられるように、前後二段構えにし、さらに奥の本も見えるように直方体の発泡スチロールで10cmほど底上げしてみたのでした。 「なんだ、大したことないじゃん」と思う方もいるかもしれないし、実際そんなにすごいことじゃないですが、ただ妻の「自分で思いついたの?」という質問に、

            早稲田に来て2年が経ちました

            ここまでを振り返って見ると、リーダーシップ開発の「仕組み」はだいぶできたかな、という感じがします。仕組みというと無機質な感じがしますが、作りたいのは、血が通っていてかつ成長して行く仕組み(エコシステム)です。 じゃあその仕組みって何の仕組み?というのは自分の中でなんとなくつかめていたので整理せずにいたのですが^^;、改めて考えてみると、 分かる仕組み 学びに本気になってしまう仕組み 「良い」実践ができる仕組み の三つだろうと思います(一番結果に近いところから見ると)

            僕らはまた「マイノリティ性」をPBL課題の要件にする

            澤田智洋さんの書籍「マイノリティデザイン」に触発されて、21年度後期は「リーダーシップ開発:問題解決プロジェクト」の課題に明確に「マイノリティ性」を組み込みました。具体的には、  「実現したら自分や周りの人が幸せになると思える、あなたのマイノリティを社会に生かせるプランをPSSJに提案してください」 というもの。(PSSJは提携企業パナソニックビジネスシステムソリューションズ様) マイノリティ性をPBLの課題の要件にするのはちょっと珍しいと思いますが、やってみて狙い通り

            成果を左右するこの春からのチームビルディングの設計

            年明けからバタバタしていてほとんど書けていませんでしたが、ようやく落ち着いて来ました。書けていない間もいろいろ考えたり気付いたりしたことがあったので、ぼちぼち書いていきたいと思います。今回は、新年度に向けて新しいチーム作りの用意をしている方も多そうなことから、チームビルディングの話を書こうと思います。 昨年冬学期、「リーダーシップ開発:授業外への適用」という授業を始めたところ、予想以上に多くの学生から「ゼミにもっとチーム感を持たせたい」という趣旨の課題が持ち込まれました。新