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真の心理的に安全な場

「心外です」

いつも授業前にミーティングを行っている開発チーム。先週は授業が最終回だったので振り返りを行っていました。その中で、一番印象に残ったのが冒頭の言葉です。
 
これは開発チーム学生メンバー(CA)の一人が笑いながら発した言葉。何が心外かというと、学期途中で授業運営チームの学生メンバー(TA)から「CAつらそう、楽しくなさそう」と言われたことだそう。
 
この現象、とても興味深く思っています。

TAたちは開発に直接は関わっていないのですが、Slack上でのCAたちのやりとりは横目で?見ていたり、教室でミーティングをやっているのも授業の準備をしながらちらちら見ていたりします。また授業や授業後の運営ミーティングは全員でやるのでその時に接触もあります。

TAたちが「つらそう」とか「楽しくなさそう」と思ったのは

今期のCAたちは理想や問題意識が非常に高く、常に「もっと良くできるのでは?」と議論していました。実際は初めて開発に携わるので、最初からはうまくやれないこともいろいろあります。それを次々と議論しているのは、はたから見るとつらく見えたのかもしれません。実際、途中少し疲れていた時期もありました。でも、すぐそばで見ていると、多くの時は、彼らがけっこう元気で、ただ真剣に議論している、と僕には感じられました。

そしてもう一つ彼らの特徴は、ネガティブなことをストレートに「これはダメだった」とか言うことでした。そこに誰かを責める意図はなく「改善策を考える必要があるね」と現状確認しているか、自分の反省として言っているのですが、慣れないとちょっとドキッとします。

でも「レスポンスがなくて悲しかった」と誰かに言っている時も含めて相手を責めるつもりはなく、自分の気持ちを知ってもらった上で「どうしたらいいんだろう?」と考えるステップにすぐ進んでいくのでした。

そして開発チームの中ではそれが普通になって、それぞれが伸び伸びと言いたいことを言い、周りはそれを冷静に受け止めて「じゃあ、どうしよう?」という話になる一方、ミーティングの前後ではプライベートなことも和気あいあいと話す関係になっていました。

つまり、内部的には(真の意味での)心理的安全性が高い状態だったのですが、はたから見ていると「つらい」「こわい」チームに見えていた、というわけです。
 
これがさらに、はたから見ても楽しげなチームになる方が良いのか、それともその時はやや緩い/ヌルいチームになってしまっているのか、まだちょっと分かりかねています。

でも、まずはCAたち自身が、そうやってネガティブなこともしっかり言っている状態について「自分たちは楽しかった」と感じていたことは、うれしく思っています。

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