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温故知新でテクノロジーを活かす

文明は、テクノロジーの進化とともに発展してきました。

活版印刷が発明されたことにより、人類は空間と時間の制約を超えて知を共有することが可能になりました。

蒸気機関が発明されたことにより、人類は自らの労力を使わなくても機械を動かすことが可能になりました。

化学肥料が発明されたことにより、人類はより多くの人口の食を確保することが可能になりました。

飛行機が発明されたことにより、人類はより速く海を超えて行き来することが可能になりました。

通信技術が発明されたことにより、人類は距離の制約なく情報を即座に交換することが可能になりました。

テクノロジーの進化により、人類は多くの課題を解決してきたのです。

そして現代も、社会には多くの課題が残されています。そして新たに課題が生まれています。その課題解決のために、テクノロジーを活用していくことが求められます。

テクノロジーの活用というと、ついつい最先端テクノロジーを思い浮かべがちです。人工知能、車の自動運転、ドローン、再生医療、などなど。

雑誌やテレビの情報番組を見ると、最先端のテクノロジーで、こんなことができるようになる、あんなことができるようになるといった話題で持ちきりです。

たしかに、新しいテクノロジーを導入して、チャレンジすることはとても大切です。

他よりも先にチャレンジして、先に失敗も経験して、ノウハウを先に蓄積することが、企業では競争優位につながるケースもあります。そうした企業競争の世界では、最先端のテクノロジーを取り込む理由があるのです。

しかし最先端のテクノロジーには、不利な面もあります。

まずは安定しない。

テクノロジーというのは、いろいろなところで利用されて、不具合も発見されて、その課題を解決しながら、こなれていくものです。テクノロジーが世の中に出てきた当初は、まだまだ安定しないものです。

次に高価である。

最先端のテクノロジーが世の中に出てきた当初は、アーリーアダプターというカテゴリーに属する人々が採用するだけで、多くの人々は様子見をします。そのため利用者数が限られるために、大量生産ができず、高価になりがちです。もちろん利用する人々が増えていくことによって、徐々に大量に生産できるようになれば、価格は下がっていくので、あくまで世の中に出てきた当初はということです。

こうした最先端のテクノロジーとは対極にあるのが、枯れたテクノロジーというものです。

時間をかけて、すでに多くの人々が利用することにより、テクノロジーとして安定するとともに、多くのノウハウが蓄積されてきています。テクノロジーを導入するための価格も、下がってきています。

最先端のテクノロジーを使うよりも、枯れたテクノロジーを使うほうが、安全にもつながることがあります。

たとえば『10人の水兵の命を奪うことになった海上での衝突事故を受けて、米海軍は一部の船で、不人気のタッチスクリーンによるインターフェースを廃止し、伝統的な機械式のコントロールを採用することにした。』そうです。

https://jp.techcrunch.com/2019/08/12/2019-08-11-navy-ditches-touchscreens-for-knobs-and-dials-after-fatal-crash/

地域活性化という目的では、多くの場合は最先端のテクノロジーを必要とはしないと思います。

他の地域を出し抜いて、競争優位に立とうなどという考えは、持続可能な地域づくりという面では不要です。

それよりも枯れたテクノロジーを、比較的リーズナブルな価格で導入して、使い倒していくことでメリットを享受することのほうが大切です。

現在でこそ普通に家庭でも導入される太陽光発電ですが、世の中にまだ出始めたばかりの1993年の価格は1kWあたり370万円もしていたのです。

それが2011年には1kWあたり53万円にまで低下しました。

家庭で4kWの太陽光発電を導入しようとすると、1993年には約1,500万円の投資が必要でしたが、2011年には約210万円で可能になっているのです。

枯れたテクノロジーをいかに活用していくかのアイディアが、これからの地域活性化には大切になるのです。

いっぽうで、テクノロジーの進化するスピードは、以前よりも格段に速くなっています。

特にITの世界は、日進月歩。性能と価格のバランスは、あっという間に変化していきます。

コンピューターの記録メディアの歴史を考えると、そのスピード感が分かります。

ボクたちが学生だった頃は、フロッピーディスクの時代で、320KB(キロバイト)、620KB、1.2MB(メガバイト)といった記録容量でした。

社会人になると、外付けのハードディスクも個人で購入できるぐらいの価格になってきました。そこでは、数百MBから1GB(ギガバイト)といった記録容量でした。

それが今や、数千円で256GBのMicroSDカードを購入できる時代です。ハードディスクであれば、数千円で2TBのものが購入できます。

KBは1,000。

MBは1,000,000。

GBは1,000,000,000。

TBは1,000,000,000,000。

この30年間を経て、同じくらいの価格で、100万倍以上の容量を持つ記録メディアを購入できるようになったのです。

コンピュータの処理速度や、ネットワークの通信速度も、同様に格段の向上をしています。

ITの世界では、あっという間に枯れたテクノロジーになってしまうのです。

枯れたテクノロジーをいかに活用するかが重要であるとともに、あっという間に新しいテクノロジーが枯れたテクノロジーになることに備えておくことも重要です。

まさに温故知新です。

さてテクノロジーと言っても、世の中にはさまざまなテクノロジーがあります。

地域活性化という視点から、テクノロジーのことを考えてみたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。